- 2024/09/20 掲載
焦点:米株、FRB利下げを1日遅れで好感 イベント通過で不透明感後退
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)による4年半ぶりの利下げに市場の反応は当初限定的だったが、19日に1日遅れで買いが優勢となり大幅高を演じた。注目された連邦公開市場委員会(FOMC)の通過で不透明感が後退したほか、利下げ転換の影響が市場で消化された。
S&P総合500種は1.7%高となり終値での最高値を更新。FRBが0.50%ポイント利下げを発表した18日は0.3%安で引けていた。
米国債利回りは失業保険申請件数が材料視され、上昇が続いた。
17─18日のFOMCは利下げへの転換が見込まれていたが、利下げ幅について市場の予測が最後まで定まらず、結果発表の数時間前に金利先物が大きく変動した。
このため、利下げ決定を受けて市場の不透明感がやや和らいだ。投資家は年初から堅調な企業業績などの材料に目を向けられるようになったと、トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブス氏最高経営責任者(CEO)は指摘。
FOMCを通過したことが株高の大きな要因になったとの見方を示した。
カーソン・グループのグローバルマクロストラテジスト、ソヌ・バルギース氏は、FOMCまでの数日間で株価が大きく上昇し、ドルが下落していたため、利下げ直後は市場に目立った反応がなかったのかもしれないと述べた。
<ソフトランディング期待高まる>
ヤルデニ・リサーチ創設者のエド・ヤルデニ氏は、金融政策の制約度合いが弱まったため投資家は経済のソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まったというシナリオを織り込んでいるのかもしれないと分析。
同氏によると、金利低下は景気敏感なバリュー株だけでなく、債務比率が高く借り入れコストを抑えたい中小企業にとってプラスになるとみられる。これまでの株価上昇をけん引してきた大手テクノロジー銘柄から買いの裾野がさらに広がると予想した。
小型株で構成するラッセル2000指数は19日に1.8%上昇。前日はほぼ横ばいだった。
ソシエテ・ジェネラルのストラテジストも買いの裾野が広がるとみており、一般消費財と主要消費財の買いを推奨。住宅ローン金利の低下や原油安が消費を刺激すると見込む。
トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー共同最高投資責任者(CIO)が提供したデータによると、歴史的な傾向で見れば、株価は景気後退が回避される限り金利低下に好反応を示してきた。1989年以降にFRBが行った6回の緩和サイクルのうち4回で、S&P500は1回目の利下げから1年間で上昇した。
一方、19日の外国為替市場で主要6通貨に対するドル指数はほぼ横ばいとなり、約1年ぶりの安値圏にとどまった。
20日は個別株と株価指数の四半期オプションの満期が株価指数先物の取引期限と重なる日で、ポジション調整でボラティリティーが高まる可能性があり、投資家は警戒している。オプション分析会社スポットガンマによると、満期となる先物・オプションは額面で5兆1000億ドル程度に上る。
関連コンテンツ
PR
PR
PR