- 2024/06/04 掲載
長期金利が急激に上昇する場合、機動的にオペ実施=植田日銀総裁
[東京 4日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は4日、長期金利について、3月にイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃しているので「金融市場において形成されることが基本となる」と述べた。大きな不連続性を避ける観点から国債買い入れを継続しているが「長期金利が急激に上昇する場合には、市場における安定的な金利形成を促す観点から機動的にオペを実施する考えだ」とした。
参院財政金融委員会で藤巻健史委員(維教)の質問に答えた。
金融政策については「先行きわれわれの見通しに沿って基調的な物価上昇率が高まっていけば、金融緩和度合いを調整していくことになる」と改めて表明。経済・物価見通しやそれを巡るリスクが変化しても、金利を動かす理由になると述べた。政策の目的はあくまでも「物価の安定」であり、「日銀の財務への配慮や財政資金の調達支援のために必要な政策の遂行が妨げられることはない」とも話した。
藤巻委員は今後、経済・物価情勢が悪化した際の異次元緩和に代わる政策として、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入した上でCBDCにマイナス金利を適用し、マイナス金利の深掘りをしやすくする案を提起した。
これに対し植田総裁は「CBDCを導入するとしても、現金と当面合わせて流通させることを考えている」とし、CBDCにマイナス金利を適用して現金はゼロ金利とするのは「非常に難しい」と指摘。「マイナス金利実現の観点からCBDCを導入することは現在、考えていない」と述べた。
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