- 2024/02/22 掲載
高値更新は「通過点」=松本大マネックスグループ会長―東京株式・識者インタビュー
上場企業の株価に発行済み株式数を掛けて算出する時価総額と、名目GDP(国内総生産)は「鶏と卵」の関係にある。日経平均株価が史上最高値を再び付けるのに30年超も要したのは、バブル期の株価が実力以上だったことに加え、GDPが上がらないような政策を採ってしまったからだ。高値更新はあくまで通過点で、この流れを止める政策こそがリスクだ。
私は1989年、米系金融機関で債券を担当していた。株も含めた日本の資本市場は巨大で活気を超えた熱気があり、世界中の金融関係者が東京に集まっていた。バブル後は長引くデフレの中で企業が成長を諦めるように設備投資や賃上げを先延ばしし、投資や消費によるお金の流れが起きづらくなった。
米国はその間も成長意欲を高く維持し、GDPを大きく拡大させたし、中国もものすごい勢いで日本を抜いていった。日本は2023年、人口の少ないドイツにさえ抜かれてしまった。
近年は日本もデフレ脱却に向かう中、企業の収益性が高まり、経営者の間でも資本コストや株価を意識した経営が浸透し始めている。名目賃金と物価が上昇基調をたどってきたことは朗報だ。
松本
大氏(まつもと・おおき)東大法卒。87年米系投資銀行ソロモン・ブラザーズ・アジア証券入社、米ゴールドマン・サックス証券を経て99年にマネックス(現マネックス証券)設立。現在はマネックスグループ会長。東証が22年4月実施した市場再編を検証する有識者会議のメンバーも務める。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるマネックスグループの松本大会長=16日午後、東京都港区
関連コンテンツ
PR
PR
PR