- 2024/02/16 掲載
米利下げ検討にはさらなる時間必要=アトランタ地区連銀総裁
Michael S. Derby
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は15日、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ圧力後退で大きく前進したが、リスクは依然存在し、自身はまだ利下げを求める準備ができていないとの認識を示した。
ニューヨーク大学マネー・マーケティアーズ主催のイベントで講演した。
ボスティック氏は「れわれは物価上昇ペースの押し下げで大きく前進した」との認識を示した。一方で「わたしの予想では、インフレ率は今後も鈍化するだろうが、市場の想定よりも緩やかになる」と指摘した。
また、インフレ高進に対する勝利宣言はまだ尚早とし、自身はまだインフレ率が2%の目標に向けて疑いなく低下しているとは言えないとした。
利下げを正当化する方向に経済が向かっているとFRBが確証を得るには、まだ時間が必要との認識を示した。
「FRBはまもなくより制約的でない金融政策の導入について適切な時期を検討するが、現在は堅調な労働市場とマクロ経済により切迫した必要性は感じられない」とした。
市場では米利下げ開始の時期について議論が広がっている。これまでは春が予想されていたが、FRB当局者は利下げ支持の確証を得るにはさらに時間がかかるとの認識を示唆している。
FRBは最近の予測で年内3回の利下げを見込んだが、ボスティック氏は物価上昇圧力がFRB目標の2%に向けて進む道筋がより不安定になる可能性を考慮し、2回の利下げを予想したと述べた。
また、急速な利上げを経ての米経済の力強さや非常に堅調な労働環境でのインフレ低下は、大方の予想に反していると指摘。経済成長が金融政策の変化に大きく左右されていないと分析した。
その上で、米経済は潜在的に力強く成長する可能性があり、これが需要を再び拡大させインフレ高騰のリスクとなると指摘した。
FRBのバランスシート縮小については、継続を支持する考えを示した。
関連コンテンツ
PR
PR
PR