- 2024/02/15 掲載
FRBのパンデミック時の約束、物価上昇対応で足かせに=ウォラー理事
[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスのパンデミック時に行った約束が、物価上昇への対応で足かせになり過ぎた――。FRBのウォラー理事は、シニアアドバイザーのジェーン・イーリグ氏と共著の論文でこうした見解を示した。論文は14日に公表された。
ウォラー氏とイーリグ氏は「全体として見れば、パンデミック後の(連邦公開市場委員会=FOMC)による引き締め措置は教科書通りではなかった」と述べ、資産買い入れに急ブレーキをかけ、利上げペースも急ぎ足にせざるを得なくなったと説明した。
論文によると、こうした事態を招いた原因は2020年、労働市場がパンデミックの痛手からほぼ回復し、物価上昇率が持続的に目標の2%を上回るまで、金融緩和を続けるとFRBが表明したことにある。その結果、実際に物価が跳ね上がってからもFRBはしばらく手をこまねいているしかなかったという。
また両氏は、それ以前の政策ルールに従うか、利上げに向けて別の基準を設けていれば、利上げは実際の22年3月ではなく、21年の春に開始できたとも指摘した。
そうした経緯を振り返った両氏は特に、FOMCが経済金融情勢の変化への対応に必要な柔軟性を確保するために、FRBとしては声明文での言い回しは慎重に考慮しなければならいという教訓が得られたと述べた。
一方で両氏は、この論文の意図は過去数年にわたるFRBの一連の決定への批判ではなく、将来同じような危機に直面した場合にどうすべきかを検討する材料を提供することにあると強調した。
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