- 2024/02/09 掲載
サウジ、アラムコ株の追加売り出しへ 成長戦略資金に充当=関係者
[ドバイ/ロンドン 8日 ロイター] - サウジアラビアは国営石油会社サウジアラムコの株式の追加売り出しに向けて動いている。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。長期成長戦略実現のための資金力を高める狙いだ。
これらの関係者の話では、売り出しのための金融機関としてサウジ政府は既にシティグループ、ゴールドマン・サックス、HSBCを選んでおり、今年第2・四半期か第3・四半期には実施される可能性がある。目下準備が進められているところで、計画の詳細は今後手直しされる場合もあるという。
ブルームバーグの報道によると、追加売り出しによる調達額は約200億ドルに上ってもおかしくない。
サウジは今年の財政赤字を790億リヤル(210億7000万ドル)と予想しているが、歳出拡大の必要性が高まっているため、赤字がさらに膨らむ恐れも指摘されている。特に不可欠なのは、経済構造を多角化し、民間と非石油セクターに成長の軸足を移行させる構想「ビジョン2030」を達成するための財政資金だ。
こうした中で、サウジアラムコ株の追加売り出しは財政基盤の強化につながるとみられている。
サウジの実質的な政治指導者であるムハンマド皇太子は以前、サウジアラムコ株を追加で売り出し、その資金を政府系ファンドの拡充に利用する意向を示していた。
LSEGのデータによると、現在サウジアラムコ株は政府が直接的に90.19%、政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が4%、PIF傘下のサナビルが4%それぞれ保有している。
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