- 2024/01/31 掲載
豪CPI、第4四半期は2年ぶりの低い伸び 利下げ観測高まる
[シドニー 31日 ロイター] - オーストラリア統計局が31日発表した2023年第4・四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率は2年ぶりの低水準となった。市場予想以上に鈍化した。コアインフレ率も大幅に鈍化し、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の利下げを巡る観測が高まった。
今年最初の政策会合を2月6日に開く中銀にとって今回の物価統計は歓迎される材料となろう。
先物市場では、5月に最初の利下げが行われる確率は50%前後と、統計発表前の30%から上昇した。24年に予想される利下げ幅は計42ベーシスポイント(bp)から52bpに拡大した。
CPIは前期比0.6%上昇。市場予想は0.8%上昇だった。
前年比の伸びは4.1%で、前期の5.4%から縮小。22年第4・四半期の7.8%を大きく下回った。市場予想は4.3%だった。
コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値は前期比0.8%上昇。予想は0.9%上昇だった。前年比上昇率は前期の5.2%から4.2%に減速した。
豪ドル/米ドルは統計を受け、0.4%安の0.6575米ドル。3年債先物は上げ幅を拡大し96.40と2週間ぶりの高値となった。
INGのアジア太平洋地域調査担当責任者、ロブ・カーネル氏は、第4・四半期の鈍化はベース効果によるもので、インフレ率は1月と2月には上昇に転じる可能性があると警告。「市場は先走ったと思う。今は逆張りすべき時だ」と述べた。
<財務相「任務達成ではない」>
12月単月のCPIは前年同月比3.4%上昇。伸び率は11月の4.3%を大幅に下回った。過去3カ月で2%ポイント以上低下した。
バークレイズは31日、最初の豪利下げ予想を従来の第4・四半期から第3・四半期に前倒しした。
チャーマーズ豪財務相はインフレ率鈍化を歓迎しつつ、これで「任務達成ではない」と述べた。
第4・四半期報告書では、財とサービス両方のディスインフレに進展が見られた。政策立案者が粘着性を懸念していたサービスインフレ率は2四半期連続で鈍化し、4.6%となった。
一方、主に内需の影響を受ける非貿易財・サービスインフレ率は5.4%と高止まり。個別項目を見ると、家賃が小幅に低下したものの依然として7.3%と高水準になったほか、保険料は16.2%と01年以来最も高い前年比上昇率を記録した。
ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「インフレ率は下がり続けるが、そのペースは緩やかになるだろう」と指摘。事態を難しくしているのは第3段階の減税の影響であり、それが9月に最初の豪利下げを予想する一つの理由だとした。
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