- 2024/01/31 掲載
マスク氏の高額報酬巡る訴訟、デラウェア州衡平法裁判所が取り消し命令
Tom Hals
[ウィルミントン 30日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの株主がイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の報酬が高過ぎるとして起こした訴訟で、デラウェア州衡平法裁判所は30日、原告側の主張を認めて、総額560億ドルのマスク氏の報酬パッケージの取り消しを命令した。
同裁判所は、今後原告がテスラの法務チームと協力し、報酬パッケージの無効化手続きを実行するよう指示。キャスリーン・マコーミック判事は、このパッケージは経営幹部報酬に関する公正な基準を満たしていないとの判断を示した。
原告の弁護士は、電子メールを通じて裁判所の決定を歓迎する姿勢を表明。裁判で原告側は、テスラの取締役会はマスク氏の報酬をもっと減らすか、本来は同氏が他の事業に注力するのを認めずにテスラの経営へ専念させる必要があり、それができないなら別のCEOを探すべきだったなどと申し立てていた。
マスク氏の弁護士からは現時点でコメントを得られていない。ただ被告側が不服を唱える場合、デラウェア州の最高裁判所に上訴することができる。
今回の裁判所命令により、マスク氏とテスラの次の報酬交渉に焦点が当てられることになる。マスク氏は今月、X(旧ツイッター)への投稿で、自身が25%前後のテスラ議決権を確保しない限り、同社をAIやロボット関連技術のリーダーに育てることについて「落ち着いた気持ちになれない」と述べた。
マスク氏は発言時にテスラの議決権約13%を握っており、マコーミック判事が裁定を下すまで交渉は始まらないと述べていた。
テスラ経営幹部の報酬を巡って20年に起こされた別の株主訴訟については、昨年マスク氏と取締役が会社に7億3500万ドルを返還することを受け入れ、和解が成立している。
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