- 2024/01/31 掲載
英政府は選挙前のさらなる減税控えるべき、IMFチーフエコノミストが警告
[ロンドン 30日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は30日、英保守党政権に対して選挙前の減税を実施しないよう警告した。公的債務の大きさや、行政サービス需要が増大する一方となっている点を理由に挙げている。
ハント英財務相は既に給与税の軽減と企業投資向け控除の恒久化に踏み切っており、3月6日に予定している財政演説でさらなる減税に動く意向を示した。
背景には年内に予想される総選挙を控え、保守党の支持率が野党労働党を大きく下回っていることがある。多くの保守党議員の考えでは、減税で労働党との差を詰めることが可能になるという。
スナク首相の報道官は、IMFが追加減税見送りを提言したことに関して「首相は余力のある分野で減税を継続したいと発言してきた」とコメントした。
一方英政府の借り入れ規模は、なお米国や日本、フランスより少ないものの、コロナ禍で急激に拡大している。
こうした中でグランシャ氏は「さらなる裁量的な減税はしないよう助言する」と語り、社会福祉や教育、環境関連の公共投資の需要は増大を続けていると指摘。財政の安定化と規律を確保しつつ、そうした圧力を受け入れられる中期的な財政計画を整備することが非常に重要だと強調した。
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