- 2024/01/30 掲載
統合進むUBSの主要株主、巨大な規模に伴う規制上の摩擦を懸念
[ロンドン/チューリヒ 29日 ロイター] - 買収したクレディ・スイスとの統合を進めているスイス金融大手UBSを巡り、主要株主らがその巨大な規模のために規制当局と衝突する可能性があると懸念していることが分かった。
UBS株を保有する顧客に助言する株主サービス会社エトスは、UBSが将来の銀行規制に与える影響を懸念。ビンセント・カウフマン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し「特にUBSの規模がスイス市場と比べて大きいことを非常に懸念している」と語る。
「いくつかの事業における競争のゆがみと、特定の活動におけるリスク集中の可能性を考えている」と指摘。スイスは現在「巨大過ぎてつぶせない(too-huge-to-fail)」問題を抱えているとして、「法規制で資本基盤の強化を求めるべきだ」と述べた。
上位10位の株主に入る別の投資家は匿名を条件に、銀行の規模を巡って規制当局や議員と対立が続く可能性があり、事業の円滑な運営に支障をきたす可能性があると述べた。
UBSは、バランスシートへの注目は誤解を招くと指摘。バランスシートは今後3年間でさらに縮小されるほか、「潜在的な破綻処理に備えるための要素は整っており、統合後の銀行に向けてさらに改善される」とした。
UBS株を0.12%(LSEGデータに基づく)保有するデカ・インベストメントのアンドレアス・トマエ氏は「統合が完了しても、新UBSの規模は旧UBSと比べてあまり大きくならないだろう」とし、「縮小することでUBSはスイスの政治に配慮することになる」と述べた。
統合は数年がかりの作業となり、国内外で数千人規模の人員削減が行われる見通しだ。
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