- 2024/01/17 掲載
JAL社長に鳥取取締役、CA出身・女性トップ初 赤坂氏は会長に
Maki Shiraki
[東京 17日 ロイター] - 日本航空(JAL)は17日、鳥取三津子代表取締役(59)が社長に昇格すると発表した。現社長の赤坂祐二氏(62)は代表取締役会長に就く。社長が女性、客室乗務員(CA)出身はいずれも同社として初めて。赤坂氏は旅客需要が落ち込んだ新型コロナウイルス禍を乗り切り、業績改善に導いた。同社は経営体制を刷新し飛躍を目指す。4月1日付。
現会長の植木義晴氏(71)は4月1日付で会長を退任し、6月の定時株主総会終了で取締役からも退任する。
2018年に社長に就いた赤坂氏は、整備出身として安全運航を徹底し、コロナ感染者が国内で初めて確認された20年1月以降はコロナ対応に尽力した。
赤坂氏は17日の会見で、コロナ禍での「バトンタッチはないだろう」と考え、まずはコロナの克服を最優先したと説明。24年3月期の通期利益(EBIT)が期初予想を上回る状況が見えてきた昨秋ごろ、「そろそろ私の役目は終わりにしてぜひ次の人に、と思うようになった」と語った。
赤坂氏は、今後も「顧客と社員を真ん中にした経営」「チーム経営」が重要であり、「そういった観点で長く顧客サービスに従事してきた人が(後任に)非常に相応しいと思った」と説明。鳥取氏が顧客サービスと安全を長年担っており、高品質なサービスと安全が求められる競争環境の中、同氏は「顧客の視点でグループの企業価値を持続的に高めていけると確信している」と評価した。
鳥取氏は1985年にCAとして入社。同年は520人が死亡し単独機事故として死亡者数が世界最悪となったJAL123便墜落事故が起きた年。会見に同席した鳥取氏は「当時受けた(事故の)衝撃は今も大変強く心に刻まれている。当時を知る者として安全運航の大切さを次世代に継承していく」と話した。
鳥取氏はまた、信頼できる多くの仲間と議論し、あらゆる課題に向けて「個人の能力が発揮できるような職場にし、皆でいいソリューション(解決方法)を導き出したい」と意気込みを語り、「女性社員は次のステップに悩んだり、ライフイベントもある。自分が社長になることで女性社員に勇気を与えたり、次のステップの後押しができれば」と話した。
鳥取氏は2020年4月に執行役員客室本部長、23年4月に専務執行役員を経て、同年6月に代表取締役専務執行役員グループCCO(最高顧客責任者)に就任した。
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