- 2024/01/17 掲載
JAL社長、管制との声の交信「アナログ、1つの大きなリスク」
[東京 17日 ロイター] - 日本航空(JAL)の赤坂祐二社長は17日、羽田空港での衝突事故後初めて会見した。事故原因の一因と指摘される管制官とパイロットとの交信は「今だにアナログな世界。1つの航空業界のリスクとして長年捉えてきた」と語り、「アナログのボイス(声)によるコミュニケーションは1つの大きなリスクであることは間違いない」と述べた。
赤坂社長は会見冒頭、今回の事故で海上保安庁の航空機の乗組員5人が亡くなったことに触れて「痛ましい事故だった」と冥福を祈った。JAL機の乗員・乗客379人全員が脱出できたことは「乗務員の日ごろの訓練成果を存分に生かしてくれた」と労い、乗客の「理解と協力があった。心からお礼を申し上げる」と話した。事故後にストレスを感じる乗客もいるとみて「しっかりとフォローアップしたい」とも述べた。
会見に同席した客室乗務員出身の鳥取三津子次期社長も「乗員も当然怖かったと思うが、使命感があった」と語った。
羽田での過密な離発着スケジュールが事故原因の一因だったとみるかとの問いに、赤坂社長は「事故調査に関わる」として言及を控えた。
ただ、海保機側に用語の誤認識があったともみられている管制官との交信に関しては「航空業界として、日本だけではなく、管制とのやりとりはアナログな世界。これは1つの航空業界のリスクとして長年捉えてきた」と話した。その上で、事故からは「なんらかの教訓が引き出せると思う。業界全体で取り組んでいける」との思いを語った。
一方、アラスカ航空が運航していたボーイング「737MAX 9」型機のドアが吹き飛んだ事故については「推測」と前置きした上で、「事故と関係があるかわからないが、コロナ禍でボーイングもダメージを受けて多くのリストラや退職者が出たと聞いている。おそらく設計・製造部門でも同じような状況が出ているのではないか」と話した。
また、「ボーイング社長とは『大丈夫か』とコミュニケーションを取って対応している」といい、ボーイングには修復力があるとして「問題が解決すると信じている」と述べた。
旅客需要動向に関しては、アウトバウンド(日本から海外に向かう)需要の回復は弱いが、昨年11月までの実績は国内線・国際線とも「ほぼ計画通り」に回復していると話した。
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