- 2024/01/15 掲載
トランプ氏の「口撃」は金融政策左右せずと再確認=18年FOMC議事録
[ワシントン 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が12日に公表した2018年開催の8回の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を見ると、当時のトランプ大統領がパウエル議長やFRBを痛烈に非難していたにもかかわらず、政策担当者の間でトランプ氏への言及はほとんどなく、金融政策運営には影響を与えなかったことが改めて分かった。
大統領はFRBの独立性を尊重し、金融政策に口出ししないのが慣例となっているが、トランプ氏はそうしたルールを破り、FRBへの不満を明白に表明。ついにはパウエル氏を、中国の習近平国家主席と同じように米国の敵とまで呼び、自身が行った人事として最悪だったと言い切っている。
この年序盤に、ジャネット・イエレン氏の後任としてトランプ氏に指名されたパウエル氏がFRB議長に就任した。
その後、トランプ氏はさまざまなインタビューやソーシャルメディアへの投稿などでFRBにさんざん罵声を浴びせかけたものの、パウエル氏は少なくとも議事録に記された公式発言に限れば、トランプ氏の名前を一度も口にしていない。他のFOMCメンバーも全く同様だ。
18年は12月18―19日のFOMCでは、新たな国際貿易摩擦やトランプ政権の諸政策が米経済に及ぼす影響に関する事務方の幅広い分析が話し合われたのが、トランプ氏関連の唯一の話題と言える。
そこでは1回だけ、トランプ氏のFRBに対する一連の発言に直接触れられたが、「(政策に)何の影響もない」という内容だけだった。
18年7月31日―8月1日のFOMCでは、事務方が「トランプ氏による最近の発言」が市場参加者の金融政策に対する見方に与えた影響を議論し、同氏はFOMCの政策対応機能に重大な影響を及ぼさないと投資家が感じているという調査結果が報告されたという。
今年の大統領選は、共和党候補指名争いでトランプ氏が圧倒的優位にあり、最新のロイター/イプソス調査に基づくと、11月の本選でも民主党候補が確実視される現職のバイデン大統領と互角の戦いをしている。
トランプ氏が大統領に返り咲けば、就任から1年4カ月後にパウエル氏の任期が終了する予定で、人事問題が蒸し返されることになるだろう。
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