- 2024/01/15 掲載
午前の日経平均は続伸、バブル後高値更新 東証改革への期待も
[東京 15日 ロイター] -
午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比293円62銭高の3万5870円73銭と、続伸した。先週の株高で出遅れていたバリュー株に物色が向かい、取引時間中のバブル後高値をTOPIXとともに更新した。東証がきょう、企業改革の要請への対応を開示した企業の一覧を公表する予定となっており、期待が先行したとの見方もある。
日経平均は57円高で寄り付いた後、32円安へと小幅マイナスに転じる場面もあったが切り返し、一時298円高の3万5875円94銭に上げ幅を拡大。バブル後高値を更新した。
市場では、テクニカル面から短期的な過熱感が意識される中で「想定外の強さ」(国内証券のストラテジスト)との声がある一方、このところ出遅れていたバリュー株が循環的に物色された形となり「健全な上昇にみえる」(国内証券のアナリスト)との見方もあった。 TOPIXバリュー指数は1.4%高で、同グロース指数の0.6%高を上回った。地政学的リスクの高まりから運賃上昇の思惑のある海運が5%超の大幅高。鉱業や銀行、鉄鋼なども高い。
東証による企業への改革要請の効果への思惑も追い風になったとみられている。東証は、プライムとスタンダードに上場する全ての企業に昨年3月、資本コストや株価を意識した経営に向けた対応の要請を通知しており、昨年12月末時点で取り組みを開示した企業の一覧をきょう公表する予定となっている。 市場では「開示していない企業には、取り組み促進への圧力がかかりやすい。PBR(株価純資産倍率)1倍割れの銘柄などで、株主還元拡充への思惑もありそうだ」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との見方が聞かれる。
TOPIXは1.03%高の2520.01ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆0850億5100万円だった。東証33業種では、値上がりは海運や証券、その他金融など32業種で、値下がりは空運の1業種だった。
業績見通しの上方修正を発表したイオンが昨年来高値を更新。日立製作所も昨年来高値を更新した。信越化学工業はしっかり。一方、ダイキン工業やエムスリー、資生堂は軟調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1289銘柄(77%)、値下がりは338銘柄(20%)、変わらずは29銘柄(1%)だった。
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