• 2024/01/15 掲載

ドイツ銀とコメルツ銀の合併観測再浮上、政府の財政事情など関係か

ロイター

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Elisa Martinuzzi

[ロンドン 14日 ロイター] - 2019年にいったん破談となったドイツ銀行とコメルツ銀行の合併話が再び浮上しつつある。ドイツ政府の財政事情や、銀行業界の収益見通しの不透明化が関係しているようだ。

ドイツ政府は世界金融危機時に取得したコメルツ銀株をなお15%保有しているが、財政上の負担になり続けている。一方で政府は、手元にある100社余りの株式の一部を売却して財政赤字の軽減につなげるため、あらゆる選択肢を検討中。

事情に詳しいある関係者の話では、コメルツ銀株の売却が差し迫っているわけではないものの、リントナー財務相は売却に前向きで、最終的には全て手放すことを望むだろうという。

この関係者は、ドイツ銀にとってもコメルツ銀を傘下に収めれば、浮き沈みの激しい投資銀行分野からの多様化が進み、長期的な経営の安定性を強化できるメリットがあり、それは政府にコメルツ銀株売却を促す新たな要素になり得ると指摘した。

ブルームバーグは12日、ドイツ銀が最近内部で、コメルツ銀やABNアムロなどの銀行買収を含めたディールについて話し合いを進めていると伝えた。ドイツ銀は数年にわたるリストラ計画の大部分を完了させたところだ。

別の関係者はロイターに、ドイツ銀内部ではまだ本格的な議論にこそなっていないが、コメルツ銀との合併構想再開に近づいて来たと述べた。

ドイツ銀のワイナンツ会長は昨年11月、機会が生じればM&Aに動く態勢を整えたいと発言している。

RBCヨーロッパのアナリスト、アンケ・ラインゲン氏は「ハードルが多いことを踏まえれば、大規模な案件が近く実現する確率は相対的に低い」としながらも、メディアの観測記事や、ドイツ銀側のこれまでの発言に照らせば、その可能性は高まっていると述べた。

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