- 2024/01/12 掲載
NY市場サマリー(11日)ドル下落、利回り低下 株ほぼ横ばい
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2年ぶりの高値に急騰した。ビットコインのスポット価格に連動する複数の上場投資信託(ETF)が取引を開始したことを好感した。
米労働省が11日発表した昨年12月のCPIは前年同月比で3.4%上昇と伸びは前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持した。
市場では、FRBは3月に利下げを開始すると予想されているものの、この日発表されたCPIは「FRBの最初の利下げが市場の期待よりも遅れる可能性を示唆している」(LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏)という指摘があった。
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は11日、CPIで示されたようにインフレ率がFRBの2%目標に戻る道のりは険しいため、FRBが3月に政策金利を引き下げるのは時期尚早な可能性が高いと述べた。
一方、米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は11日、CPIはFRB当局者にとってインフレの行方を明確にするものではなかったと述べた。
ドル指数は102.29で、前日比0.05%下落した。CPI発表前は102.20前後で取引されていた。
ユーロ/ドルは前日比0.09%上昇の1.09820ドル。ドル/円は、一時146.10円と12月11日以来の高値を付けた後、0.20%下落し145.48円となった。
ポンド/ドルは0.17%上昇し1.27630ドルとなった。一時は1.27880ドルと12月28日以来の高値をつけた。
ビットコインは1.80%高の4万6800ドル。一時は4万9051ドルと2021年12月以来の高値をつけた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 不安定な取引の中、国債利回りが低下した。12月の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を上回ったものの、FRBによる利下げ観測はほとんど後退しなかった。
CPI発表を受け、当初国債利回りは上昇したものの、その後は不安定な動きとなった。終盤の取引で10年債利回りは4.9ベーシスポイント(bp)低下の3.980%。
エクイティ・キャピタル(ロンドン)のチーフ・エコノミスト、スチュアート・コール氏は「コア指数の前年比での伸びは鈍化したが、総合指数を踏まえると、FRBはインフレ圧力が決定的に減速していると
納得しないだろう」と指摘。12日に米労働省が発表する12月の卸売物価指数が注目されていると述べた。
財務省が実施した210億ドルの30年債入札の結果はまちまち。最高落札利回りは4.229%、応札倍率は2.37倍だった。
終盤の取引で30年債利回りは1.4bp低下の4.187%。
2年債利回りは11.1bp低下の4.259%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス28.5bp。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> ほぼ横ばいで取引を終えた。インフレ統計が市場予想を上回ったほか、労働市場のデータも底堅さを示し、FRBによる早期の利下げに対する期待が後退した一方、米国債利回り低下が下支え要因となった。
株価は上昇して取引を開始し、S&P総合500種は2022年1月に付けた終値での最高値を一時上回る場面もあったが、その後下げに転じた。
米労働省が発表した昨年12月のCPIは前年同月比で3.4%上昇と伸びが前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持した。また、週間の新規失業保険申請件数は予想に反して減少した。
クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、この日発表の米CPIで示されたようにインフレ率がFRBの2%目標に戻る道のりは険しいため、FRBが3月に政策金利を引き下げるのは時期尚早な可能性が高いと述べた。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレを巡る状況の改善は「モノ」に過度に集中しているとの認識を示し、物価上昇ペースが2%で安定すると確信できるのをなお待っていると述べた。
マイクロソフトは時価総額で一時アップルを抜き、約2年ぶりに首位を奪還した。マイクロソフトは0.49%高、アップルは0.32%安で取引を終えた。
S&P500の主要11セクターは大半が下落し、プラス圏で引けたのはエネルギーと情報技術 のみだった。
暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は序盤の高値から下げに転じ、大幅安で終了。コインベースが6.7%下げたほか、ビットファームズは13.33%安、ライオット・プラットフォームズは15.82%安となった。米証券取引委員会(SEC)は10日、ビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)を初めて承認した。
シティグループは1.77%安。12日に発表する23年第4・四半期決算について、特別費用と引当金として計38億ドル前後を計上すると明らかにした。
JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)も12日の決算発表を控えて下落した。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 市場予想を上回った米CPIを受けて利下げ観測が後退したことから売られ、5営業日続落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比8.60ドル(0.42%)安の1オンス=2019.20ドルと、中心限月清算値ベースとしては2023年12月半ば以来、約1カ月ぶりの低水準となった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化を背景とした買いが優勢となり、反発した。米WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.65ドル(0.91%)高の1バレル=72.02ドルだった。3月物は0.65ドル高の72.09ドル。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派による中東の紅海周辺での商船攻撃が続く中、イラン国営メディアは同国海軍が11日、「オマーン湾を航行中の米石油タンカーを拿捕 (だほ)した」と発表したと報じた。フーシ派の指導者は11日、テレビ演説で、フーシ派へのいかなる 攻撃にも反撃を辞さない構えを示した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 145.28/145.29
始値 145.37
高値 146.41
安値 145.27
ユーロ/ドル NY終値 1.0970/1.0974
始値 1.0977
高値 1.0990
安値 1.0931
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 109*20.50 4.1812%
前営業日終値 109*09.50 4.2000%
10年債(指標銘柄) 17時05分 104*07.50 3.9753%
前営業日終値 103*25.00 4.0300%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.25 3.8876%
前営業日終値 98*31.00 3.9810%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.00 4.2493%
前営業日終値 99*24.75 4.3710%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 37711.02 +15.29 +0.04
前営業日終値 37695.73
ナスダック総合 14970.19 +0.54 0.00
前営業日終値 14969.65
S&P総合500種 4780.24 -3.21 -0.07
前営業日終値 4783.45
COMEX金 2月限 2019.2 ‐8.6
前営業日終値 2027.8
COMEX銀 3月限 2270.5 ‐36.1
前営業日終値 2306.6
北海ブレント 3月限 77.41 +0.61
前営業日終値 76.80
米WTI先物 2月限 72.02 +0.65
前営業日終値 71.37
CRB商品指数 264.0971 +1.7845
前営業日終値 262.3126
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