- 2024/01/12 掲載
米FRB当局者、12月CPIでインフレ巡る見解変わらず
[リッチモンド(米バージニア州) 11日 ロイター] - 11日発表された昨年12月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレ率が米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に向かって着実に鈍化しているか見極めようとする当局者に新たなシグナルをほとんど与えなかった。
米労働省が発表した12月のCPIは前年同月比3.4%上昇と、伸びが前月の3.1%から加速し、ロイターがまとめた市場予想(3.2%上昇)を上回った。家賃が上昇傾向を維持する一方、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比3.9%上昇と11月の4.0%上昇から鈍化し、基調的なインフレ圧力鈍化が続いていることを示した。
FRB当局者は利下げを開始できるほど物価高騰が収束したことを示す説得力ある手掛かりを求めており、今回の統計は不明瞭な結果となった。
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁はロイターのインタビューで、2023年はインフレ鈍化で「殿堂入り」の年だったとし、12月CPIは住居費の上昇が自身の予想をやや上回ったが、サービスインフレは予想以上に改善したと指摘した。
それでも、利下げ開始に十分な進展かどうかは分からないとし「数週間、数カ月先に指標の発表を控える中で手を縛るのは好まない」と語った。
クリーブランド地区連銀のメスター総裁はブルームバーグテレビのインタビューで12月のCPIについて「まだやるべきことがあり、そのためには制約的な金融政策が必要なことを示している」と指摘。「もう少し確証を得る必要があるため、3月の利下げはおそらく時期尚早だろう」と述べた。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、12月CPIは「ほぼ予想通り」で、モノのインフレが緩やかだった一方、住居やサービスの価格は依然としてより速いペースで上昇していると指摘。
利下げ開始に必要な将来のインフレ鈍化について「確信」を強めるものではなかったとし「住居・サービスとモノの間のギャップを注意深く見ている」と述べた。
一部のインフレ指標が過去半年で目標の2%に近づくなど、インフレ抑制で一定の進展が見られたとする一方、こうした進展がより広範になり、サービスや住居の価格上昇も緩やかになれば、さらに安心できると語った。
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