- 2024/01/10 掲載
独ビオンテック、25年の増収転換見込む がん事業拡大へ
[9日 ロイター] - ドイツのバイオ医薬品会社ビオンテックは9日、新型コロナウイルスワクチン事業の持続的な縮小傾向が底を打つ2025年には収入が増加に転じるとの見通しを示した。その後は腫瘍事業拡大に投資する方針も明らかにした。
米ファイザーと共同で新型コロナワクチンを開発したビオンテックは、今年の総売上高予想が約30億ユーロ(32億8000万ドル)と、23年の目標である約40億─50億ユーロを下回った。今年の売上高予想はLSEGがまとめたアナリスト予想平均の36億─38億ユーロに届かなかった。
サンフランシスコで開催したJPモルガンヘルスケア会議での発表によると、25年については、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期間中の政府主導のワクチン接種計画が商業市場モデルに移行する中、ワクチン価格が上昇し、追い風になる見込み。
定評のある新型コロナウイルスを対象としたメッセンジャーRNA(mRNA)技術を季節性インフルエンザなど他の呼吸器系疾患向けワクチンと組み合わせる注射も収益を押し上げる要因になるとしている。
一方、24年末を目標に少なくとも10件の抗がん剤の後期臨床試験を行い、26年以降、最初の抗がん剤を発売する計画を示し、ルーツであるがん領域に改めて焦点を合わせると説明した。
ウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)兼共同設立者は「当社は引き続き新型コロナウイルスとの闘いにおいてリーダーシップを発揮するとともに、中期および後期段階にある抗がん剤のパイプラインを大幅に拡大した」と述べた。
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