- 2024/01/09 掲載
情報BOX:中国当局、低迷する株価にてこ入れ策継続
複数の関係筋によると、中国証券監督管理委員会(証監会)は新たに、国内の一部の大手投資信託会社に対し、債券ファンドなどよりも株式ファンドの発売を優先するよう窓口指導を行った。
CSI300指数は2023年に12%下落と、世界の株価指数の下落率上位に入った。初めて3年続落となった。
当局がこれまで講じた措置や今後見込まれる対策を以下にまとめた:
<取引コスト>
中国は昨年8月28日に株式取引にかかる印紙税を半減させた。証券会社が証券取引所に届け出ている取引手数料も引き下げられた。
各証取はまた、投資家の借り入れ促進に向け証券担保ローンの担保比率を引き下げた。
当局の指針を受け、投資信託会社は株式ファンドの運用手数料を引き下げた。
<資本調達と借り換え>
証監会は資本調達と投資活動の「動的平衡」を目指し、新規株式公開(IPO)のペースを抑制した。
また、赤字企業や業績不振の上場企業による借り換えへの制限を強化した。
<小口投資家の保護>
証監会は、上場企業の主要株主による保有株売却への規制を強化した。
また、プログラム取引が相場の変動率を高めているとの一部投資家の指摘を受け、プログラム取引への監視を強めた。
当局はさらに、上場企業の自社株買いを奨励している。
<国家ファンドの買い入れ>
中国政府系ファンドの中央匯金投資は10月に株式市場の安定回復に向け上場投資信託(ETF)購入を開始したと発表。
12月には国有ファンドの国新控股がテック銘柄に特化したインデックスファンドの購入を開始したと発表した。
<売り越し禁止>
証監会は23年終盤、主要運用会社に1日当たりの株式売買で売り越しにすることを禁止した。売り越し規制は24年初めに解除された。
<今後の追加措置>
証監会は、中国の資本市場に投資する年金基金を含む長期投資家を増やすため策を講じる計画。
また、取引時間延長の可能性も検討している。
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