- 2024/01/03 掲載
中国の一部大手銀、中小行への融資厳格化 信用リスクを抑制
有力国有銀行2行と大手株式制銀行が、保有資産の質が低く貸し倒れのリスクが高い中小銀行を特定するため、数カ月前から審査を強化。国有2行は、銀行間融資の限度額を引き下げ、リスクが高いと判断した中小行への融資期間を短くした。大手株式制銀行は、中小行への融資基準を厳格化し、その一環で総資産が400億元を下回る銀行が発行した債券の購入を停止したという。
大手行は預金を原資に融資ができるが、中小行は近年、融資のために銀行間の借り入れを積極化している。中国外貨取引センター(CFETS)のデータでは、中小行は銀行間融資取引の約半分を占める。
大手国有銀行の別の関係者によると、同行が審査しリスクが高いと判定した小規模銀行の一部は、東北部や内モンゴル自治区、河南省といった多額の債務を抱える地域の銀行という。
中小行の資金調達手段である譲渡性預金(NCD)金利は、国債大増発の中、上昇基調。TF証券によると、地方商業銀行のNCD1年物金利は12月中旬に2.84%と8月以来の高水準となった。
中小行を取り巻く環境は厳しくなっている。上海コマーシャル・ペーパー(CP)取引所が11月30日に公表した文書によると、昨年の半年間にCPで少なくとも3回デフォルト(債務不履行)した中小行が10行あった。
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