- 2024/01/03 掲載
米建設支出、23年11月は0.4%増 予想下回る
[ワシントン 2日 ロイター] - 米商務省が2日発表した2023年11月の建設支出(季節調整済み)は年率換算で前月より0.4%増えた。増加率はロイターがまとめた市場予想の0.6%を下回った。
公共部門への支出が減ったのが全体の伸びを押し下げた。ただ、堅調な結果となったことは労働市場と個人消費、景況感に関する最近の経済指標に加え、23年第4・四半期の初めに失速したように見えた景気が勢いを取り戻したことを示唆した。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「建設活動が、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが予想ほど経済に打撃を与えなかった理由の1つ」と指摘。「新規の産業建設関連プロジェクト向けの資金は存在するが、唯一のリスクは全国的に深刻な建設労働者不足だ」と述べた。
10月の建設支出の伸び率は1.2%増と、前回発表の0.6%増から上方改定された。
11月は前年同月比で11.3%増。民間部門への建設支出は前月より0.7%増え、10月は1.2%増だった。
11月の民間住宅建設支出は1.1%増え、10月は2.0%増えていた。
11月の新築一戸建て住宅の建設支出は2.9%増と大きく伸び、市場に出回る中古住宅の不足が深刻化しているのが住宅建設の動きを後押ししている。主力の30年固定住宅ローンの金利が7%を下回ったのを受け、一戸建て住宅建設が24年に急増する可能性がある。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「住宅不動産市場が今後数カ月、金利低下の恩恵を受けるため、住宅建設業者の事業が今年成長することが想定できる」と指摘。「建設活動を考慮すると、住宅投資が第4・四半期の経済成長に寄与する見通し」と述べた。
集合住宅の建設支出は0.1%増。建設中の集合住宅が大量に積み上がっている中で増加の勢いは弱まった。
工場といった非住宅の民間建設支出は0.2%増。製造業関連が0.5%増え、バイデン米政権が進める半導体製造の米国回帰に向けた工場建設が下支えした。
公共部門の建設支出は0.7%減。10月は1.3%伸びていた。11月のうち連邦政府支出が3.1%、州・地方政府が0.5%それぞれ減った。
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