- 2023/09/23 掲載
FRB当局者、追加利上げの可能性を警告 「インフレ高すぎる」
当局者らの発言は「忍耐」などといった言葉で和らげられていたものの、金利がなお引き上げられる可能性のほか、これまでの予想よりも長期にわたり金融政策が引き締まった状態にとどまる可能性が高いとの考えを強調するものだった。
ボウマンFRB理事は、イベント向けの原稿で「インフレ率は依然として高すぎる。インフレ率を適時に2%の目標に戻すには、連邦公開市場委員会(FOMC)が金利をさらに引き上げ、当面は制約的な水準に維持することがおそらく適切と予想している」と指摘。FRBは「適時に」インフレを抑制するために政策金利をさらに引き上げる必要があると述べた。
また、現在の政策金利の水準ではインフレ率の鈍化ペースは遅いとしたほか、エネルギー価格が一段と上昇し、これまでの進展が一部覆される可能性があるとも述べた。
ボストン地区連銀のコリンズ総裁はメーン州銀行協会向けの講演で、インフレがまだ明確に抑制されていない現状では、さらなる利上げは「選択肢から除外されていない」とし、FRBの高金利長期化見通しに支持を表明。 「インフレ率が2%の目標まで持続可能な軌道に乗っていると確信するには時期尚早だ。金利は以前の予想よりも高く、長く維持されなければならないかもしれないと予想している」と述べた。
FRB当局者の中でハト派と見なされているサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、最近のインフレ率の低下と労働市場の緩やかなリバランスが歓迎すべきニュースなのは明らかだが、さらなる政策引き締めが必要かどうかを判断するにはより多くのデータが必要とし、勝利宣言する用意はできていないとし、「忍耐は賢明な戦略だ」と述べた。
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、ミネソタ州のエコノミック・クラブで行った講演で、現在の金融政策に関する自身の考えは示さなかったものの、FRBの積極的な利上げで個人消費に急激なブレーキがかかると予想していたが、ブレーキはかかっておらず、予想を上回り続けていると語った。
FRBは19─20日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いた。ただタカ派的なスタンスを強め、年内の追加利上げを想定した。
ボウマン理事は今回の金利据え置きについて、「堅調な」経済成長が続く兆候とともにインフレ低下や雇用の伸び鈍化を示す「まちまちのデータ」が見られるため支持すると述べた。
カシュカリ総裁は現在、FOMCで投票権を持っているが、コリンズ総裁とデイリー総裁は持っていない。
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