• 2023/09/21 掲載

インタビュー:再び為替円安なら介入「十分考えられる」=中尾元財務官

ロイター

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Takaya Yamaguchi Tetsushi Kajimoto

[東京 20日 ロイター] - 元財務官でみずほリサーチ&テクノロジーズの中尾武彦理事長はロイターに対し、為替円安を巡り、「今後再び円安に振れる局面で為替介入することは十分考えられる」との見方を示した。19日に都内でインタビューに応じた。

中尾氏は、足元の為替水準について「昨年秋にかけた円安の動きに比べれば急速とは言えないかも知れないが、利上げを続ける主要中銀との金融政策の違いは拡大しており、いまの水準が行き過ぎた円安であることに変わりない」と語った。

さらに円安に振れればドル売り/円買い介入も選択肢になるとし、「日銀が、為替は政府の責任分野と考えているとすれば、介入の必要性はなおさら高まるだろう」との認識を示した。

中尾氏は2011年8月から13年3月まで財務官を務めた。在職中に円が戦後最高値の1ドル=75円30銭台を付け、大規模な円売り介入を行った過去がある。

中尾氏は「(日本政府は)市場に影響を与える介入を支える、十分な規模の外貨準備をもっている」と指摘。「為替取引は外貨準備に比べて巨額だが、為替介入は一定の決意をもった一方向の取引として市場に与えるインパクトは大きい」とも述べた。

為替円安が、食料・エネルギー価格などの高騰を通じて家計の負担増となっている現状を踏まえれば「(為替介入に伴う)円高がリスクということにはならないのではないか」との見方も示した。

<副作用直視して検証を>

21、22両日の日銀金融政策決定会合に先立ち、中尾元財務官は「日銀が現状の金融政策を続けていくことがビハインド・ザ・カーブ(後手に回ること)にならないかは一つの論点」とした。

「日銀が大量に購入しなくても国債流通利回りが比較的、安定的に推移している今こそ、イールドカーブ・コントロール(YCC)の枠組み修正や、マイナス金利撤廃に向けた検討を始めるチャンスだ」との認識も併せて示した。

インタビューでは、過去の金融緩和策を多角的に評価するレビューを念頭に「黒田日銀による異次元緩和は当初に一定の意義があったが、2%の物価上昇を達成するためにYCCやマイナス金利政策を長期間続けたことの副作用を直視し、しっかりとした検証をすべきだ」との考えも述べた。

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