• 2023/09/21 掲載

東芝、「上場企業」の歴史に幕=TOB成立、再建へ収益力課題

時事通信社

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東芝の再建を巡って、国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営による東芝株のTOB(株式公開買い付け)が成立した。長らく続いた経営の混乱を収めるため、上場企業としての74年の歴史に幕を下ろすことで再生に一歩踏み出した格好だ。ただ、収益力改善に向けた課題は山積しており、先行きは不透明だ。

日本を代表する電機メーカーだった東芝だが、2015年に巨額の不正会計問題が発覚すると経営陣が一斉に退陣するなど迷走。米原発子会社の経営破綻による債務超過の解消のために「物言う株主」と呼ばれる海外投資ファンドから出資を受けた結果、経営陣との対立で混乱に拍車が掛かっていた。

今回、東芝は非上場化でこうした株主と決別し、安定した環境で経営を立て直す道を選んだ。島田太郎社長はTOB開始を発表した記者会見で、「世の中に本当に貢献できる会社として再び成長していくと強く信じている」と語った。

電機業界に詳しい早稲田大学大学院の長内厚教授は現在の東芝について、優れた技術を持ちながら世界のトップシェアを取れていないなど、「技術の持ち腐れ状態だ」と指摘。今回のTOBで「経営陣が説得する相手が特定されることで、東芝の迅速な意思決定にプラスに働く」と評価する。

もっとも、思惑通りに再建を果たせるかは未知数。島田社長はデータサービスを収益の柱とする企業に変革するビジョンを示し、30年度の売上高目標として22年度の1.5倍の5兆円を掲げる。ただ、医療機器やメモリー半導体など稼ぎ頭の事業を多数手放した東芝にとって、容易な目標ではない。

また、TOBに伴う巨額の借り入れで東芝の財務基盤は弱まる。JIPは3~5年以内に再上場を目指すとみられるが、名門再建に向けた道筋はいまだ見えない。

【時事通信社】

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