• 2008/12/12 掲載

細かな設定ならVMware、Windows連携ならHyper-V、仮想化4製品を比較検証

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設置スペースの削減、消費電力の低下、発熱量の低下、管理効率の向上など、さまざまなメリットで注目されている「仮想化」。古くから取り組んでいるデファクトスタンダードの「VMware」に、オープンソースのXenをベースとした製品、マイクロソフトの「Hyper-V」など、各社の製品が出そろってきた。

日商エレクトロニクス
エンタープライズ事業本部
テクノロジーソリューション統括部
事業企画グループ
藤井香織氏


日商エレクトロニクス
エンタープライズ事業本部
テクノロジーソリューション統括部
仮想化技術グループ
関原道子氏

 設置スペースの削減、消費電力の低下、発熱量の低下、管理効率の向上など、さまざまなメリットで注目されている「仮想化」。古くから取り組んでいるデファクトスタンダードの「VMware」に、オープンソースのXenをベースとした製品、マイクロソフトのHyper-Vなど、各社の製品が出そろってきた。

 主要な仮想化製品4製品「VMware Infrastructure」「Citrix XenServer」「Microsoft Hyper-V」「Virtual Iron」の比較検証を行うことができる日商エレクトロニクスのVMSC(仮想化マルチベンダーソリューションセンター)において、比較検証デモが実施された。

 日商エレクトロニクスは、もともとXenベースのVirtual Ironを中心に仮想化ソリューションを展開していたが、「多様な要望があり、今年からさまざまな製品を取り扱うようになった」という。現在は「平等にパフォーマンスなどを比較できる立場(エンタープライズ事業本部 藤井氏)」で、主に前述の4製品を提供する。

 4製品は、それぞれハイパーバイザー型の仮想化ソフトウェアで、機能的には差別化要因を見つけるのが難しい状況下にあるが、導入企業の環境などに応じて一長一短があるのだという。たとえば、対応OSだが、下記の表をご覧いただければ分かるとおり、VMwareに一日の長があり、比較的歴史の浅いHyper-Vは明らかに少ない、といった特徴がある。


使用可能なゲストOS一覧(2008年12月1日現在、日商エレ調べ)



※クリックで拡大

VMware ESX Server 3.5で動作するWindows XP

※クリックで拡大

Citrix XenServer 5.0で動作するWindows XP

※クリックで拡大

Windows 2008 Server Hyper-Vで動作するWindows XP

※クリックで拡大

Virual Iron 4.4で動作するWindows XP(※裏側で動作)

 それぞれ、個別にみていこう。VMwareは、現在の仮想化ソフトウェアのデファクト・スタンダードになっている。歴史も長く、豊富なアライアンスパートナーがおり、また設定なども非常に細かく行うことができるそうだ。対応OSも一番多く、「Windows NT4.0が利用したいという声は依然多く、その場合にはVMwareしか選択肢がない(エンタープライズ事業本部 関原氏)」のだという。仮想化を利用したいユーザーにとって、マイナーなOSで動作しているシステムを、仮想化環境で管理したいというニーズは想像以上に多いそうだが、やはりVMwareほど細々と対応できないのだそうだ。

 次に、マイクロソフトのHyper-Vだが、現在、基本的にはWindows Server 2008とバンドルして提供されており、しかもHyper-Vとしての価格は無償状態。当然ながらWindows系との親和性は非常に高いという。しかし、最後発のため、対応OSが少ないだけでなく、機能的にも若干見劣りする。たとえば、クライアントとのセッションを維持したまま、物理サーバ間で移動を行う機能(VMwareではVMotionと呼ばれる)が、完全無停止では行えない(他の3製品は可能)などの差がある。

 Citrix XenServerは、オープンソースソフトウェアのXenをベースにした製品。XenSourceを買収した企業としても名高い。同社が強みを持つシンクライアントソリューションとして、デスクトップ仮想化なども提供している。現状、ターミナルサーバ、クライアント製品などの動作に、Citrix XenServerの利用が必須、という状況もあるので、そうした利用を前提としたユーザーに向いている。

 最後が、これもXenベースのVirtualIronだ。知名度はほかより劣るものの、その分エッジの効いたソフトウェアになっている。最大の特徴は「ディスクレス」。仮想イメージファイル用の共有ディスク領域さえあれば、極めて小容量のLinuxベースのOSを、メモリのみで展開できる。

 今回、利用したハードウェア構成図は下記の通り。HP BL460c×8台(CPU:Quad Core×2個、メモリ:16GB)で、4種類の仮想化環境を、ブレード2台ずつに分けて構成している。そのほか、専用ストレージとして、HP MSA2000fc1台に、SATA 2TB、SAS584GBが用意されている。また、管理サーバは別のハードウェアに用意されている。

 日商エレのVMSCは、マシンルームの外からリモートデスクトップでログインすることを前提として構成されていながら、比較検証、トレーニング専用の施設となっているため、多くのマシンがむき出し状態で設置されるなど、iDCとも違う趣を見せている。そのほかの仮想化製品、たとえば「Oracle VM」なども持ち込みで利用できる。

 なお、検証施設の利用料は1週間で10万円だが、検証結果を共有できる場合は無償で提供しているとのこと。11月に開始して、既に2件のエンドユーザーが利用し、さらに来週以降も予約が入っているのだという。

 今後はハンズオントレーニングや、セミナーなどを開催し、社外に積極的に公開していくという。

仮想化マルチベンダーソリューションセンターのマシンルーム
最近は、システム周りの機器が減る一方で、ネットワーク関係の
機器が多くのスペースを取るのだという。



今回のデモを実施した実機



※2008年12月15日追記:掲載当初、藤井氏と関原氏の写真とお名前が逆になっておりました。関係者の皆様には謹んでお詫び申し上げます。

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