- 2008/05/23 掲載
【仮想化サーバ市場動向】サーバ仮想化の目的は、ハードウェアと保守コストの削減
同市場の成長期は、2008年から2009年にかけてで、x86サーバでの仮想化技術の急速な普及が仮想化サーバの導入を牽引するとIDCではみている。IDC Japan サーバ リサーチマネージャー 福冨里志氏は、「x86サーバ用仮想化技術の成熟と、Windows Server 2008が同技術を標準機能として組み込むことで、仮想化技術を利用する際の敷居が低くなる」と延べ、これにより、より多くのユーザーがx86サーバ用仮想化技術を活用しやすくなるとしている。
![]() |
国内サーバ市場予測、2002年~2012年
|
ユーザー企業におけるx86サーバの設置台数は、増加傾向。x86サーバは、2006年の出荷台数で56万8,700台に達している。これは、2000年の1.7倍。また、マルチコアプロセッサーの普及にともないx86サーバの性能が向上。x86サーバの利用効率を高め、設置台数の増加を抑えることで、コスト削減を実現したいとするニーズがユーザー企業において高まっている。x86サーバの利用効率を高める手段として、サーバ仮想化ソフトウェアの導入が進むとIDCではみている。IDCが実施したユーザー調査によれば、サーバ仮想化技術の導入目的として、約6割のユーザー企業が、「サーバリソースの有効活用によるハードウェアコストの削減」や「運用管理の効率化を伴う保守コストの削減」を挙げている。
サーバ仮想化技術の種類別にみると、サーバ仮想化ソフトウェアの採用比率が、2006年の49.4%から2011年には92.5%に上昇すると予測している。なお、IDCはサーバ仮想化技術を3つに分類して分析していまる。具体的には、物理パーティション、論理パーティション、サーバ仮想化ソフトウェア。物理パーティションと論理パーティションは、主にメインフレームやUNIXサーバで従来から採用されてきた仮想化技術。サーバ仮想化技術としては、成熟した技術となる。これに対して、サーバ仮想化ソフトウェアは、主にx86サーバ向けの仮想化技術。物理パーティションや論理パーティションに比べて、新しい技術となる。
同社の調査では、サーバ仮想化技術の課題として、導入予定があるユーザー企業の54.0%が「論理サーバ(仮想マシン)の高可用性、信頼性の確保ができない」を挙げているす。しかし、すでに導入実績があるユーザー企業では「論理サーバーの高可用性、信頼性の確保ができなかった」とする回答は19.6%で、実際には大きな問題になっていないことが分かった。「国内ユーザー企業は、新たな技術を採用するに当たって慎重な姿勢をとるケースが多い。サーバ仮想化ソフトウェアの採用においても、信頼性や可用性に対する漠然とした不安から、導入をためらうユーザー企業が少なくない。サーバーベンダーは、まず、サーバ仮想化ソフトウェアに対する漠然とした不安を払拭すべきである」と福冨里志氏は指摘する。
![]() |
国内仮想化サーバー市場におけるサーバー仮想化技術別出荷台数構成比予測、2004年~2011年
|
関連コンテンツ
PR
PR
PR