フューチャーブリッジパートナーズ 長橋 賢吾
2005年東京大学大学院情報理工学研究科修了。博士(情報理工学)。英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所訪問研究員を経て、2006年日興シティグループ証券にてITサービス・ソフトウェア担当の証券アナリストとして従事したのち、2009年3月にフューチャーブリッジパートナーズ(株)を設立。経営コンサルタントとして、経営の視点から、企業分析、情報システム評価、IR支援等に携わる。アプリックスIPホールディングス(株) 取締役 チーフエコノミスト。共著に『使って学ぶIPv6』(アスキー02年4月初版)、著書に『これならわかるネットワーク』(講談社ブルーバックス、08年5月)、『ネット企業の新技術と戦略がよーくわかる本』(秀和システム、11年9月)。『ビックデータ戦略』(秀和システム、12年3月)、『図解:スマートフォンビジネスモデル』(秀和システム、12年11月)。
ホームページ: http://www.futurebridge.jp
ソフトバンクが、同社子会社のスーパーセル(Supercell)の売却を検討していると発表しました。その売却先として名前が挙がっている企業、それが中国の「テンセント(騰訊、Tencent)」です。日本ではまだあまり知られていませんが、同社は今や、ゲームの売上高でソニーやマイクロソフトを上回って世界トップ(NewZoo調査)。提供している複数のメッセンジャーのMAU(月間アクティブユーザー数)を単純合算すると11億人超(ちなみにFacebook Messengerが6億人、LINEが2.2億人)にのぼり、それを基盤にしたFinTech市場でも存在感を発揮しつつあります。同社の売上高は、日本の大手ゲームメーカーである任天堂と比べて、売上高で3倍、営業利益で17倍、時価総額は約10倍にもなります。今回、この「テンセント」を徹底解剖していきます。