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コロナ禍で急場しのぎのリモートワーク環境を構築したことにより、サイバーインシデントの被害が拡大した。今現在も油断はできない状況で、企業は一度セキュリティの基本に立ち返り、全社員のセキュリティレベルを底上げする必要がある。では、具体的にどのようなことを実施すべきか。数々のフォレンジック調査を行ってきたレオンテクノロジーの代表取締役社長 守井 浩司氏に、「誰でもできて」「誰もが実践すべき」セキュリティ対策について聞いた。
リモートワーク下で増加したサイバーインシデント
コロナ禍でリモートワークが主流になったことにより、特有のサイバーインシデントが多数発生した。主なインシデントは、ビデオ会議ツールの不備や脆弱性を突いた攻撃や、古いVPN機器を侵入経路とするマルウェア被害・サポート詐欺による被害である。攻撃者は、急場しのぎのリモートワーク環境の脆弱性や気の緩みを見逃さない。また、コロナ禍には「Emotet(エモテット)」の感染も拡大した。日本国内では2019年秋から爆発的に増加し、2021年1月に一度は鎮静化したものの、11月には再び猛威を振るっている。エモテット自体はコロナ禍以前から流行していたが、リモートワークの影響で対応に遅れが出ているケースが多く、被害が拡大している。
こうした特徴的なインシデントについて、企業向けのセキュリティ診断やフォレンジック調査(セキュリティインシデントの詳細な調査・分析)を行うレオンテクノロジー代表取締役の守井 浩司氏は次のように指摘する。
「あまり経験したことのないリモートワークという環境で、インシデントが発生した際の対応フローが不十分だったことが要因の1つではないでしょうか。加えて、情報システム部門の目の届かないところで起こるため、相談などのコミュニケーションが取れずに被害が拡大したと考えられます」(守井氏)
続いて守井氏は、フォレンジックの観点から、2020年、2021年のサイバーインシデントの変化をより具体的に振り返った。
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