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2017年は「働き方改革」という言葉を耳にする機会が多かった。労働環境の改善は、企業だけでなく国全体にかかわる課題だからだ。そうした中で、ICTを活用した時間や場所を有効に活用できる働き方として「テレワーク」が改めて注目を集めている。かつて取り組んで失敗した企業も多かったが、ここにきて大きく異なる動きがあるという。テレワークマネジメント 代表取締役 田澤由利 氏に話を聞いた。

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テレワークマネジメント 代表取締役 田澤由利 氏

2017年のテレワーク再熱の理由は「人材不足」

──2017年は“働き方改革”に非常に注目が集まった一年でした。働き方改革という言葉自体がフォーカスされたこともあるかと思いますが、この一年を振り返ってどのように評価なさっていますか?

田澤氏:「テレワーク」自体は、随分前から言われてきた言葉です。それがなぜ今、こうやって注目されているのか? それは、国が動き出し計画を立て、実行し始めたからです。これまでにもテレワークについては、新型インフルエンザ(パンデミック)や震災などの災害が起こって「事業継続のためには大事だ」という風潮はありました。ただ残念なことに、日本人は「喉元過ぎると熱さ忘れる」ことが多く、その熱もだんだん冷めていきました。

 今回の流れがこれまでと違うのは、テレワークの重要性が事業継続ではなく「目の前の大事な人が辞める」という人材不足が理由にあるからです。この人材不足というのは、簡単に喉元を過ぎません。少なくともこれから20年は続く問題です。この人を留めるにはどうしたらいいかという切羽詰まった問題から、企業規模を問わずテレワークを意識し始めたことが、この一年の国の動きと合わせて重要なポイントになりました。

──現在の日本企業では、テレワークがうまくいかないという企業も少なくありません。テレワークの課題解決には、どのようなプロセスを踏んでいけばいいのでしょうか?

田澤氏:たとえ制度やシステムがあっても利用者が増えないという状況の原因は、「テレワークでは仕事の内容が限られる」と、会社も思っているし、上司も思っているし、代替勤務する人も思っていることにあります。本来はテレワークが特別な働き方なのではなく、いつもの仕事のやり方そのものを変えていく取り組みこそが重要です。

「子供が熱を出したので、家で仕事をしていい」がなぜNGか

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