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1908年から刃物を作り続けている貝印が、変わらず貫いているのは「野鍛冶の精神」だ。近年は、その「野鍛冶の精神」を現代風にアップデートした製品開発を行い、「紙カミソリ」などの画期的な製品を世に送り出している。「日経 マーケター・オブ・ザ・イヤー2021」など、多数の受賞歴を持つ、貝印の上席執行役員兼マーケティング本部副本部長兼CMO、グレートワークスCCOの鈴木曜氏が、新時代の製品開発について語る。
「野鍛冶の精神」とは1人ひとりの顧客の思いを大切にすること
なぜ、創業115年の老舗総合刃物メーカーは、グローバルで幅広く支持されているのか。貝印の上席執行役員兼マーケティング本部副本部長兼CMOである鈴木 曜氏は、こう語る。
「貝印に脈々と流れる重要な概念に、『野鍛冶の精神』があります。廃刀令によって日本刀作りが衰退する中、多くの刀鍛冶たちは身のまわりの刃物、クワや包丁などの刃物を作る野鍛冶に転じました。彼らは、生活者の背格好を見て、用途や要望を聞き、その人にあった刃物をオーダーメイドで作っていたと言われています。そうしたお客さま1人ひとりと対話し、ものづくりをするのが『野鍛冶の精神』です」(鈴木氏)
貝印ではこの「野鍛冶の精神」を根幹に据え、顧客の求めに柔軟に対応する姿勢を大切にしている。いかにして個人の要望に寄り添いながら、大量生産し、なおかつ、世界へのデリバリーを実現できたのか。鈴木氏がくわしく解説する。
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・貝印は次世代マーケティングをどのように取り入れたのか
・マーケティングと「デザイン思考」でこれまでにない売り方を
・貝印が心がける「早期のプロトタイピング」
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