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  • 2023/04/25 掲載
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「ネスカフェ」や「キットカット」など2000を超えるブランドを展開する世界最大の総合食品飲料企業であるネスレグループ。その日本法人であるネスレ日本では、法務部でのDXにおいて、年間2000時間もの作業工数削減を実現した。その具体的な方法や効果最大化の秘訣(ひけつ)について解説する。

ネスレ日本はなぜ、法務DXに取り組んだのか

 一般的に法務部の業務というと、契約関連、株主対応、コンプライアンスなど、リスクを回避するような “守り”の役割のイメージがあるかもしれない。その中で、ネスレ日本は外資の非公開企業であることから、出資者や株主の対応業務に悩まされることは少ない。金融庁からの監督を受けている保険業界のような厳しい規制もない。

 比較的事業を進めやすいそうした状況下において、同社の法務部は同部門の「Purpose(目的)」として「ビジネスの成功を実現させること」というハードルを課していると話すのは、ネスレ日本法務部部長の美馬耕平氏だ。

「“ガーディアン(守護者)”という本来のミッションに加えて、ビジネスパートナーやプロジェクトリーダーといった役割も担います」(美馬氏)

 同社の法務部の人員は全員で8名。“攻めの組織”を形成するために、メンバーには法務の専門知識よりも、営業、マーケティング、カスタマーサポート、品質保証など、ビジネスのさまざまなバックグラウンドを持つ人材が集められているという。中にはエンジニアとしてネスレグループに入社し、法務部に異動してから法律への興味が深まり、勉強して弁理士試験に合格した者もいる。一方で日々の業務に追われてチャレンジングな取り組みに時間を割けないメンバーも多く、そのことこそが同社法務部がDXに本腰を入れた理由になったと美馬氏は話す。

「法務部が『ビジネスの成功を実現させること』に寄与するためには、ビジネスを深く知り、考察するための時間が必要です。しかし、業務の範囲や量は拡大しつつあり、かつ新しく人を増やしてもらうことも困難です。そんな状況で時間を捻出するには、DXを進めて業務効率化を図ることが急務でした」(美馬氏)

 では、同社は具体的にどのように法務DXを実現したのだろうか。

この記事の続き >>
・契約電子化を実現した「ネスレモデル」のスゴさ
・個別のNDA締結も不要になった「ある方法」とは
・2000時間効率化の秘訣

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