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6月、岸田内閣は「新しい資本主義」「デジタル田園都市国家構想」に向けた経済財政運営と基本方針を閣議決定した。目指すのは、「誰1人取り残さない、地域の豊かさとともに都市の利便性を享受できる暮らしの実現」だ。では具体的にどのような取り組みが進行しているのだろうか。総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部データ通信課長 西潟 暢央 氏が解説する。

デジタル田園都市国家構想の実現には、インフラの地方分散が必須

 総務省が同構想の実現に向けて取り組む主な施策として、「デジタル基盤の整備」「デジタル人材の育成・確保」「地域課題を解決するためのデジタル実装」の3つがある。ここでは「デジタル基盤の整備」に焦点を当てるが、強調したいのは「データセンターの地方分散の必要性」だという。

「デジタル田園都市国家構想の基本方針に先駆けて、総務省では2022年3月にデジタル田園都市国家インフラ整備計画を公表しました。この中の重要課題として、データセンターの6割が東京圏にある状況が指摘されています。このまま一極集中が続けば、東京圏が大震災などで被災した場合に、全国規模で通信環境に多大な影響が生じる懸念があります」(西潟氏)

 この指摘を受けて、通信インフラ整備の現場では、すでにデータセンターや海底ケーブルといった設備を地方分散し、デジタルインフラを強靭(きょうじん)化する取り組みが進みつつある。

 以降では、その具体的な施策や期待できる効果について、西潟氏が解説する。

この記事の続き >>
・震災の教訓を踏まえ、デジタルインフラ強靭化を推進
・国際的な「データ流通ハブ」の地位を確立する格好の機会が到来
・2030年を見据えた、日本の得意分野を伸ばす情報通信政策の方向性

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