- 2021/11/16 掲載
NY市場サマリー(15日)ドル16カ月ぶり高値、利回り上昇
<為替> ドルが主要通貨に対し16カ月ぶり高値を付けた。世界経済成長やインフレ高進を巡る懸念から、安全資産としてのドルへの投資妙味が高まった。金融政策期待も追い風となった。市場の関心は16日に発表される米小売売上高統計に集まっている。
主要通貨に対するドル指数は95.462に上昇し、2020年7月以来の高水準を付けた。終盤は0.274%高の95.394で推移した。
ユーロ/ドルは16カ月ぶりの安値に沈んだ後、0.49%安の1.13865ドル。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は15日、インフレ抑制のために現時点で金融引き締めを行えば、ユーロ圏経済の回復が頓挫すると述べた。
ユーロは対スイスフランでも一時、18カ月ぶり安値を付けた。モネックス・ヨーロッパのシニア為替市場アナリスト、サイモン・ハービー氏は、ユーロ/スイスフランの動向について「スイスフランはインフレに対するヘッジ」と指摘した。
<債券> 国債利回りが約3週間ぶりの水準に上昇した。感謝祭の祝日を来週に控え、流動性が低下する前に売りを急ぐ動きが出たことが背景。
来週は25日が感謝祭の祝日で金融市場が休場となるため、市場の動きが鈍化すると予想されている。このほか、財務省は17日に230億ドルの20年債入札を実施。先週の30年債入札が軟調だったことを受け、今回の入札も低調に終わる可能性がある。
20年債は他と比べて需要が低い傾向が続いており、20年債利回りは10月28日以来、30年債利回りを上回って推移。
終盤の取引で20年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の2.04%。30年債利回りも5bp上昇の2.01%。
10年債利回りは4bp上昇の1.62%。
<株式> はほぼ変わらずで取引を終えた。米国債利回りが上昇する中、テクノロジー株への買い意欲が減退した。一方、貨物機需要増加の兆しからボーイング株が買われた。
この日、米10年債利回りは10月27日以来の高水準を付けた。これを受けて情報技術セクターが市場全般を圧迫した。
金利上昇の恩恵を受ける銀行株は買われた。
ボーイングは5.49%上昇し、3カ月ぶりの高値で引け、ダウ工業株30種を支えた。エミレーツ航空が777型貨物機2機の発注を発表したことや、サウジアラビア航空がワイドボディ機の発注に向けて協議していることを受けた。
電気自動車(EV)大手テスラは1.94%安。マスク最高経営責任者(CEO)が、超富裕層は「相応の」税金を払うべきだとしたバーニー・サンダース上院議員を揶揄(やゆ)したことが背景。
<金先物> 米長期金利の上昇を背景に、8営業日ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.90ドル(0.10%)安の1オンス=1866.60ドル。
<米原油先物> 需給緩和観測を受けた売りが一服し、小反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.09ドル(0.11%)高の1バレル=80.88ドル。1月物は0.06ドル高の79.75ドルだった。
ドル/円 NY終値 114.12/114.13
始値 113.81
高値 114.21
安値 113.83
ユーロ/ドル NY終値 1.1367/1.1371
始値 1.1449
高値 1.1454
安値 1.1357
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*08.50 1.9966%
前営業日終値 98*06.00 1.9550%
10年債(指標銘柄) 17時00分 97*24.50 1.6180%
前営業日終値 98*02.50 1.5840%
5年債(指標銘柄) 17時03分 99*12.00 1.2554%
前営業日終値 99*14.50 1.2390%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.00 0.5197%
前営業日終値 99*22.88 0.5220%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 36087.45 -12.86 -0.04
前営業日終値 36100.31
ナスダック総合 15853.85 -7.11 -0.04
前営業日終値 15860.96
S&P総合500種 4682.80 -0.05 0.00
前営業日終値 4682.85
COMEX金 12月限 1866.6 ‐1.9
前営業日終値 1868.5
COMEX銀 12月限 2510.5 ‐24.1
前営業日終値 2534.6
北海ブレント 1月限 82.05 ‐0.12
前営業日終値 82.17
米WTI先物 12月限 80.88 +0.09
前営業日終値 80.79
CRB商品指数 237.4600 +0.3737
前営業日終値 237.0863
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