- 2021/08/04 掲載
イーライリリー、アルツハイマー新薬を年末までに米当局に申請予定
米食品医薬品局(FDA)が今年6月に米バイオジェンとエーザイが共同開発したアルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」(製品名・アデュヘルム)を承認したことを受けて、イーライリリーなど製薬会社は、同様の新薬開発を競っている。
イーライリリーは、当局に提出予定の新薬候補「ドナネマブ」の中間段階のデータで、同薬が他の治療方よりも効果的にアルツハイマー型認知症患者の脳内に蓄積するたんぱく質「アミロイドβ(ベータ)」を除去することが示されたと説明した。
同社の最高科学責任者、Daniel Skovronsky氏は投資家への決算説明会で「アミロイドプラークを下げることが良いことだと信じているなら、最もアミロイドプラークを減らす薬を望むことになるだろう」と述べた。
また「認知機能関連のデータが得られるまでは、薬を使いたくないと言う医師もいるだろう」と語った。
FDAは、患者の利益を示す決定的な証拠がないまま、外部の専門家からなる委員会の反対を押し切りアデュヘルムを承認し、批判を浴びている。
イーライリリーは、新薬候補が患者の認知機能低下を遅らせる効果もあることを証明するため第3相試験を行っており、この試験は2023年までに終了する予定だと明らかにした。
FDAは6月にアデュヘルムを承認したが、通常の審査過程に比べて短期間で承認した。そのため、別途、検証試験を実施することを求めている。
FDAの承認はアルツハイマー型認知症の治療薬を長い間待ち望んでいた患者や医師から歓迎されたが、承認プロセスやバイオジェンとFDAの関係を巡り議会が調査を行っている。
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