- 2021/08/03 掲載
日本製鉄、通期事業益を前期比5.5倍に上方修正 海外事業が押し上げ
IBESがまとめたアナリスト8人の通期純利益の予想平均は2628億円で、会社計画はこれを大きく上回っている。
業績上方修正は、販売価格の改善や在庫評価差、海外グループ会社の好調などが要因。森高弘副社長は会見で「新型コロナからの回復により、粗鋼生産や出荷が製造業を中心に改善している」と述べた。下期に向けては、製造業に加えて、建設でも戻りが期待できるという。
森副社長は「非常に良い決算」と評価しながらも、鉄鋼メーカーと最終的なユーザーが直接価格交渉をして決める「ひも付き価格」の決着が遅れていることを懸念材料として挙げ「是正されなければ安定供給に責任が持てない」と、価格引き上げの必要性を強く訴えた。
これまで未定としていた中間配当は、1株55円(前期実績はゼロ)とする予定。中間配当として過去最高となる。
通期の単独粗鋼生産見通しは4000万トンを据え置いた。前期は3300万トンだった。
21年4―6月期の純利益は1621億円(前年同期は420億円の赤字)となった。前年同期に比べて単独粗鋼生産は298万トン増加し、鋼材価格は1トンたり1万1300円改善した。
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