- 2021/06/09 掲載
住友電工とソフトバンク、工場の作業を自動的に見える化する実証実験を実施
■背景
住友電工はソフトバンクの協力の下、スマート工場の実現に向けて、5GやAI、IoTを活用した工場での作業者の行動分析など、DX(デジタルトランスフォーメーション)で工場の生産性を向上させる取り組みを進めています。生産性の向上を図るには、作業を見える化して分析する必要がありますが、従来は人が手動で作業内容を記録し作業時間を計測した上で、作業の分類別にデータを集計しており、人的リソースがかかることや、実態の把握までに時間がかかることが課題となっていました。こうした課題を解決するため、住友電工とソフトバンクは、工場の作業を自動的に、かつリアルタイムに見える化する実証実験を行いました。
■実証実験について
今回の実証実験では、住友電工の工場内に高精細カメラを4台設置して作業の様子を撮影し、その映像をソフトバンクの5Gネットワークを利用して住友電工のデータセンター内のクラウドサーバーに伝送しました。伝送された映像をAIが解析し、作業の分類や時刻との照合などを行った上で、住友電工が独自開発したソフトウエアが個々の作業のタイムチャートを生成することで、作業を自動的かつリアルタイムに見える化することができました。また、このソフトウエアは、1日ごとの目標時間と実際の作業時間を分析し、自動でグラフ化することにも対応しています。
「高速・大容量」という特長を持つ5Gを活用することにより、複数台のカメラで撮影された高精細な映像を、常時遅延なく安定して伝送できることを確認しました。なお、5Gネットワークの利用には、住友電工が開発した産業用5G端末(※2)を使用しました。この端末を使用することで、工場内に新たなネットワークを構築する必要がないため、ネットワークの整備にかかる負担を軽減することができます。
実証実験の結果、手動での作業時間の計測・集計や作業の分類にかかっていた人的リソースを大幅に削減できた他、作業者は目標時間と実際の作業時間の差分を確認し、効率性を意識して作業に取り組むことが可能になりました。また、作業時間のグラフをクリックすることで、該当する日付の作業映像を再生し、作業の遅延が発生した箇所を特定して原因を分析できるため、速やかに作業の改善や効率化を図ることができ、工場の生産性の向上につながっています。
*1 今回の実証実験は、下記の発表に関連して実施したものです。
プレスリリース(2019年11月12日):住友電工とソフトバンク、工場での5G活用に向けた実証実験を実施
https://sei.co.jp/company/press/2019/11/prs089.html
*2 産業用5G端末
5Gを活用した高速通信に対応し、工場設備などと接続するための多様な接続インターフェースや、端末でのデータ処理を可能とする端末エッジ機能を備えた端末
SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴ、プライベート5Gは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
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