- 2021/02/23 掲載
「国際金融都市」実現へ重責=競争強化、試される手腕―東証・山道氏
政府が国際金融都市構想を掲げる中、山道裕己次期東証社長は構想実現へ東証の競争力強化という重責を担う。ただ、システム障害発生で揺らいだ信頼の回復や市場区分の再編など、課題は山積。証券界きっての国際派で、大阪取引所社長として豊富な実績を持つ山道氏の手腕が試される。
昨年10月に発生したシステム障害では、取引が全面自動化された1999年以降、初めて全銘柄の株式売買が終日停止。証券取引所としての信頼に大きな傷が付いた。今後は障害発生当日の取引再開を目指す方針だが、信頼回復へ再発防止の徹底が求められる。
競争力の強化も大きな課題だ。日本取引所グループ(JPX)によると、東証は2019年末時点で上場株式時価総額がニューヨーク証券取引所の約4分の1。売買代金は上海証券取引所を下回っており、国際金融都市の実現へ東証の地位向上が不可欠になる。
そのために東証は22年4月、現在の四つの市場区分を三つに再編。東証株価指数(TOPIX)の算出方法も見直す。最上位となるプライム市場の魅力を高め、国内外の資金を呼び込むことが狙い。ただ、再編は銘柄の絞り込みを伴うため、上場企業などとの協議で難しいかじ取りが必要となる。
JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は22日の記者会見で、山道氏について、国際経験に加え「8年間、大阪取引所社長として実績を積み重ねている」と評価、リーダーシップに期待を寄せた。
【時事通信社】
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