- 2021/02/23 掲載
欧州の貧富格差拡大の恐れ、コロナ危機で=IMF
IMFのゲオルギエバ専務理事は欧州議会の講演で、各国政府が企業や家庭を支えるために3兆ユーロの財政刺激策を導入したことを称賛。「ただ、回復への道のりはまちまちだ。出だしや経済構造、対応する能力が異なることから、各国間そして国内の中で格差が広がっている」と指摘した。2020年の経済縮小は、スペインやギリシャ、イタリアなど観光産業が盛んな国が9%を超えた一方、欧州連合(EU)全体の平均6.4%だった。
IMFの見通しによると、22年末までに1人当たりの所得は、中欧と東欧で新型コロナ危機前の水準を3.8%下回る一方、EU先進国は1.3%下回るのにとどまる。
EU諸国の財務相は今のところ景気刺激策を維持したい意向だが、経済が回復するにつれて第2・四半期には、全事業を対象とした現在の対策から、より的を絞った対策に移行し始める時期や、その後予想される一連の企業破綻への対応について協議する。
EUは昨年、7500億ユーロの復興基金で合意。後れを取る恐れのある国や企業を促進するための改革やグリーン投資、デジタル投資に融資・補助金として充てることにした。
ゲオルギエバ専務理事はこうしたグリーン投資、デジタル投資が長期的にみて一番重要な対策だと主張した。「われわれの分析によるとこうした投資によって15年間でGDPが毎年約0.7%押し上げられ、何百万人分もの雇用が生まれる」と話した。
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