- 2021/02/23 掲載
ECB、国債利回り上昇「緊密に注視」 対応余地ある=総裁
ユーロ圏国債利回りは米国債利回りの上昇を反映し、年初から上昇。ECB当局者はこれまでのところ、名目利回りは必ずしも適切な指標にはならないなどとして重要視しない姿勢を示してきた。ただここにきてインフレ調整後の実質利回りも上向き始めたことで、ECBが先ず口先介入、続いて国債買い入れ増額で対応せざるを得なくなるとの観測が出ている。
ラガルド総裁は講演で「金融政策の伝達経路の下流で起きていることを早期に反映する指標となるため、リスクフリーのオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)金利と国債利回りは特に重要だ」とし、「ECBは長期的な名目国債利回りの展開を動きに注視している」と述べた。
その上で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の枠はまだ約1兆ユーロ残っており、ECBには「まだかなりの対応余地と柔軟性」が残されていると指摘。パンデミック(世界的大流行)が収束するまで良好な資金調達状況を維持すると改めて確約した。
ラガルド総裁の発言を受け、ユーロ圏国債利回りは大きく低下。独10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0.35%。朝方の取引ではマイナス0.278%と、8カ月ぶりの高水準を付けていた。イタリア10年債利回りも約4bp低下の0.58%。
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