- 2021/02/17 掲載
コロナ禍、地銀むしばむ=高まる再編圧力
2020年4~12月期の地方銀行100行決算(単体)は、全体の半数弱が純損益で減益や赤字に陥った。新型コロナウイルス感染拡大の長期化が地銀経営の重しになっている。今後も「楽観できない」(地銀関係者)との見方は多く、基盤強化のため再編圧力が一段と強まりそうだ。
純利益総額は前年同期比3.9%減。官民による資金繰り支援策が奏功し、貸し倒れに備えた与信関係費用の急増は避けられた。過半数の地銀は3カ月を残し、21年3月期の純利益計画を達成。有力地銀関係者は「予想ほど悪くない」と語る。
しかし、先行きは予断を許さない。昨年11月後半から新型コロナの感染再拡大で、政府は1月に緊急事態宣言を再発令した。需要喚起策「Go
To」キャンペーンは停止され、飲食や宿泊などのサービス業を中心に地方企業は苦境に立たされている。大和証券の矢野貴裕アナリストは「第4四半期(21年1~3月)も不透明感が強い」と指摘する。業績予想を引き上げたのはスルガ銀行と名古屋銀行のみで、地銀は総じて慎重姿勢を崩していない。
一方、西日本の地銀関係者は「地銀は積極的にリスクを取って取引先を支援する必要がある」と強調する。コロナ禍はあらゆる企業に事業変革を促しており、融資などを通じて地域経済を支える地銀の役割は重みを増している。重責を果たすには再編を含めた経営基盤強化が急務と言える。
【時事通信社】
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