- 2020/10/29 掲載
英、EU金融規制との同等性巡る方針で明確な説明を=欧州委高官
英国は今年1月にEUを離脱したが、12月31日に移行期間が終了するまでは従来通りの市場アクセスを確保している。ロンドンの金融機関が来年以降もアクセスを維持するには、英国の金融規制について、EU規制と整合的とする「同等性」の評価を得る必要がある。
欧州議会でベリガン氏は「許容可能な」かい離度合いを定めるため、EUは英国側の方針について明確な説明を求めてきたと述べた。
「かい離はあるだろうが、どの程度のかい離が起きる見通しや、同等性評価の維持が可能かについて一定の共通理解を得る必要がある」と述べた。
EUは域内の市場参加者に対し、ロンドンの清算機関の利用を時限的に認めたが、同等性の基準が満たされなければ、株式とデリバティブ取引の大部分はロンドンからEUに移管されることになる。
ベリガン氏はまた、英国とEUによる自由貿易協定(FTA)を巡る交渉について、貿易協定に盛り込まれる金融サービス関連の規定は限られるだろうと指摘。EUの裁量を制限しないためだとした。
金融規制での協力は貿易協定の枠外で、米国とEUが実践しているような「フォーラム」の形を取ることになるとした。「常に脅威にさらされている同等性評価の枠組みは望んでいない」と強調し、英国は自らが望んでいる方向性を最初に示す必要があると語った。
英側はこれまで、高い規制水準を弱めることはしないが、市場アクセスを維持するためにEUの規制を一字一句、そのまま取り入れることはしないとの立場を示している。
関連コンテンツ
PR
PR
PR