- 2020/10/07 掲載
IMF、世界成長見通し上方修正へ 「回復は不確実」=専務理事
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのイベントで、「世界経済は今回の危機の深淵から立ち直りつつある」とし、「苦難は終わったわけではない。全ての国が『長い上り坂』に直面している。長く、不均等で、不確実とみられる困難な上りだ」と述べた。
IMFは6月、新型コロナウイルスによる都市封鎖を受けて今年の国内総生産(GDP)が世界全体でマイナス4.9%になるとし、1930年代の大恐慌以来の落ち込みを予想。各国政府や中央銀行に政策支援を求めた。
IMFはオンライン形式で来週開催する年次総会で、新たな成長見通しを公表する。
ゲオルギエワ氏は、21年も「部分的で不均等な」回復予測が続くとした。IMFは6月時点で21年成長率見通しを5.4%とした。
米国やユーロ圏を含む先進国経済は、大規模な財政支援や前例ない金融緩和により最悪のダメージを逃れ、回復を始めていると指摘。一方、新興市場や低所得国は、脆弱な医療システム、大規模な対外債務、観光やコモディティー(商品)など新型コロナの影響を最も受けるセクターへの依存度が高く、不安定な状況に直面していると述べ、IMFと世界銀行が来週、低所得国のための債務救済拡大を強く求めることを示唆した。
また、現行の財政・金融支援を「早々に撤回しないようメッセージを伝えている」とし、早期に解除された場合、世界の国々が大規模な破綻と経済的打撃に直面するリスクがあると警告した。
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