- 2020/07/27 掲載
中国工業部門企業利益、6月は前年比11.5%増 前月から伸び加速
2カ月連続の増加。増益率は2019年3月以来の大きさとなった。
5月は前年比6.0%増加し、新型コロナウイルス危機発生前の昨年11月以来、初めてプラスに転じていた。
1─6月の工業部門企業利益は前年同期比12.8%減の2兆5100億元。1─5月の19.3%減から減少ペースが鈍化した。
6月末時点の工業部門企業の負債は前年比6.4%増加。5月末時点は6.6%増だった。
第1・四半期に記録的な落ち込みとなった中国経済は第2・四半期には、ロックダウンの解除や当局の刺激策強化を背景に予想以上の回復を見せた。ただ、アナリストは政府主導の投資に大きく依存した回復であり、国内外の需要は引き続き弱いと警告している。
国家統計局の当局者によると、業種別では、鉄鋼、石油・ガス抽出、製油、非鉄金属産業が6月に大幅な増益を記録した。製造コストが低下し、需要が改善したという。
ただ同当局者は、新型コロナの影響で市場の需要は依然として弱く、国際貿易を巡る情勢も「複雑かつ深刻」で、増益ペースを維持できるかは引き続き不透明としている。
医薬品原料大手の浙江新和成<002001.SZ>や医療設備大手の江蘇魚躍医療設備<002223.SZ>は、売り上げの改善で上期が増益になるとの見通しを示している。
各種指標では、製造業に一段の回復の兆しが見られるが、アナリストは、業績回復の勢いを維持するのは難しい可能性があると指摘。うっ積していた需要の減少、輸出の伸び悩み、洪水による建設業などの混乱を理由に挙げている。
在庫と増加と需要の低迷が、利益率の重しになる可能性もある。
国有企業の工業部門利益は1-6月に前年比28.5%減少。1-5月は39.3%減だった。
1-6月の民間部門は前年比8.4%の減益。1-5月は11.0%の減益だった。
工業部門企業統計は、主力事業の年間売上高が2000万元超の大企業が対象。
*内容を追加しました。
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