- 2020/07/20 掲載
富裕層向け金融大手、香港顧客の民主化運動との関係調査=関係筋
関係筋によると、英HSBC
最近の公の場やメディアでの発言、ソーシャルメディアへの投稿などをチェックし、政治と関係の深い人物に指定されると、資金の出どころや取引の内容によっては金融サービスの利用を制限したり禁止したりするという。
同筋はまた米国の制裁を想定して国安法の施行に関与した中国や香港の当局者についても調査を行っていると明らかにした。
2000億ドル以上の資産を運用するある富裕層向けサービス大手の関係者は、一部のケースについては2014年の「雨傘運動」時までさかのぼって顧客の政治的な立場を調べていると述べた。
ロイターは調査の対象となっている顧客を特定できていない。また金融機関が政治との結びつきが強い顧客への対応を決定したか確認を取れていない。
HSBCは電子メールで「われわれは既に世界的に厳格な対応を取っている」とし、国安法や米国の制裁についてはコメントを控えた。クレディ・スイス、ジュリアス・ベア、UBSはコメントしなかった。
中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は電子メールによる声明で「政治との関係が深い人物を含め、国際基準に基づく」マネーロンダリング(資金洗浄)防止策を実施していると説明した。「これに関する国際基準と銀行に対するわれわれのガイドラインは変わっていない」としている。
<規制リスク>
複数の金融機関関係者は国安法により顧客が訴追されれば、サービスを提供した銀行に規制や評判に関するリスクが及ぶ恐れがあると懸念している。
ある資産運用業界幹部は1日に国安法が施行された後、数日で社内のリスク管理・コンプライアンス部門が地元メディアに民主化運動の支持者と指摘された人物10人をリストアップしたと明らかにした。
これらの人物との関係について社内のデータを調べた結果、取引がなかったことが判明し「たいへん安心した」と述べた。
香港に拠点を置くあるヘッジファンドの運用担当者は、今後はより多くの顧客が厳しい審査の対象になると予想。投資の申し込みが穏健な民主運動支持者によるものあっても国安法の施行以後は慎重に対応せざるを得ないと語った。
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