- 2020/07/10 掲載
米国の経済再開先行州、回復で失速兆候 コロナ再拡大で消費鈍る
携帯電話の位置情報から個人の動きを分析するウナキャストによる3日までのデータによると、5月に経済再開に踏み出したアリゾナ、テキサス、フロリダ、ジョージア、サウスカロライナ各州の小売店への客足は他州よりも落ち込んだ。
オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、グレゴリー・デイコ氏は、多くの州における誤った新型コロナ対応によって「目先の利と中期的な景気低迷を浮き彫りにした。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)措置は再び厳格化され、コロナ懸念は長引く」と指摘。「米経済の勢いが第3・四半期に入り予想以上に失速したことは明確だ」と述べた。
オックスフォード・エコノミクスの景気回復に関する指標も、国内で新型コロナ感染者が増加する中、過去3週間で2回低下した。
ニューヨーク連銀の週間国内総生産(GDP)指標も小幅低下した。ナットウエスト・マーケッツのアナリスト、ジョン・ロバーツ氏は、小売売上高と消費者信頼感の悪化が同指標の低下を主導したと指摘した。
ウナキャストとセーフグラフの調査によると、全米レベルでも小売店への客足は横ばい、もしくは減少した。
中小企業向けのシフト管理ソフトを手掛けるホームベースとクロノスのまとめた週間データからは、小規模企業の雇用が頭打ちとなった兆候や幅広い業種で従業員のシフトが減少したことが示された。ただ、4日が独立記念日の祝日だったことが影響した可能性もある。
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