- 2020/07/09 掲載
FRB当局者、米景気回復の持続可能性に慎重な見方
アトランタ地区連銀のボスティック総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁はそれぞれ、米経済が直面する「乱気流」に言及。企業は新規受注がない中で既存の注文が尽き始めており、家計は失業給付など支援の打ち切りが迫っていると懸念を示した。
バーキン総裁は、建設業などについて、既存のプロジェクトで事業を継続できていた新型コロナ流行の初期とは異なり、現在は新規受注が以前のようには入ってきていないと指摘。「政府の支援策も終了する見通しで、その後の代替策については不透明だ」と述べた。
一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁はCNBCのインタビューで、失業者の多くが年内に復職するとの見方を示したが、こうした意見はFRB内では少数派の可能性がある。[nL4N2EF3ME]
ボストン地区連銀のローゼングレン総裁はロイターのインタビューで、「夏から秋にかけて経済は多くの人が期待していたより弱い状態が続く見通しだ」と述べた。[nL4N2EF3HN]
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、南部の州が経済再開を急いだことよりも、感染リスクの高い活動を適切に管理する十分な対策を取らなかったことに懸念を示した。
その上で、中小企業に関するデータなどによると「営業再開に向けたエネルギーや、全般的な活力は頭打ちになり始めている。この点に関して極めて緊密に注視していきたい」と述べた。[nL4N2EF3F6]
こうしたFRB当局者の発言は、雇用や小売売上高などで5月から6月に見られた急速な回復がこの先は持続しないという可能性を示唆しており、8日に公表された2本の企業調査もそれを裏付ける結果となった。
500社以上の最高財務責任者(CFO)を対象にアトランタ、リッチモンド地区連銀とデューク大学が共同で実施した四半期調査によると、CFOらは自社の商品に対する需要低迷が続くことに引き続き懸念を示し、年内は雇用回復が失速するとの見通しを示した。ただ、新型コロナ流行の初期と比べ、楽観的な見方は全体として強まった。
州法銀行監督官協会(CSBS)の四半期調査では、地方銀行の間で依然として悲観的な見方が強いことが示された。
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