- 2020/07/09 掲載
米FRBの緊急融資、市場安定化に貢献=NY連銀高官
シン氏は、家計や企業に対する流動性維持に向けFRBが導入した措置の一部はそれほど多く利用されなかったものの、市場機能の維持に役立ったと述べた。
ただ、見通しを巡る不確実性が高いため、FRBは警戒を続ける必要があると指摘。「不良債権や企業破綻の増加が懸念される中、銀行部門がどの程度耐えられるか注視する必要がある」とし、「先行き不透明感は著しく高く、現在のリスクに真摯に対応し、必要に応じて調整するというコミットメントを堅持する必要がある」と述べた。
また、FRBが状況の変化に合わせて対応を調整していると指摘。セカンダリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(SMCCF)を例に挙げ、同措置を通じた1日当たりの買い入れは3億ドルから2億ドルに減額されており、一段と減額される可能性があると述べた。
その上で「市況が継続的に改善すればFRBは買い入れを一段と減速させ、買い入れ規模は極めて低水準となるか、完全に停止される可能性がある。ただ状況が悪化すれば、FRBは買い入れを拡大させる」と語った。
ただ、FRBが景気支援に向けできることには限界があるとも指摘。「FRBは融資を実施できるが、特定の企業や家計に資金を提供する権限は持っていない」と述べた。
*内容を追加しました。
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