- 2020/07/06 掲載
アングル:コロナワクチン開発、中小勢から遠のく投資家の期待
いち早くその兆しが見えたのが1日で、新型コロナワクチンの臨床試験で有望な結果が出たと表明したファイザー
またこのニュースを受け、以前から臨床試験で前向きな結果を出してきたモデルナ
過去1週間単位でも、新型コロナワクチン開発競争に参戦している大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
もちろん中小勢が売られたのは、これまでの値上がり分を四半期末に益出しした面はある。何しろモデルナの年初来上昇率は200%近く、イノビオに至っては540%に達し、大手製薬の値上がりとは比べものにならない。
ただアナリストによると、投資家は銘柄選別に際して、ワクチンを開発できるかとともに、どれだけ製造できるかに焦点を当てて、資金を振り向ける戦略に転換しつつある。そのためこれまで素晴らしい値動きを見せてきた一部のバイオテクノロジー企業のリスクリワード比率(損益率)が低下してきたという。
みずほのバイオテクノロジーアナリスト、バミル・ディバン氏は、ファイザーやアストラゼネカ、J&Jなどが成功を収めれば、これらの企業の規模や製造能力を踏まえると中小勢はより厳しい事態になるとの見方を示した。
リーガル・アンド・ゼネラル・グループのポートフォリオマネジャー、ジャスティン・オニュエクシ氏も、中小勢は製造能力が限られている以上、ワクチンを開発しても会社自体かあるいはワクチンの権利を大手に買収されてしまう、と投資家からみなされていると指摘した。
(Carl O'Donnell記者、Sujata Rao記者)
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