- 2025/03/26 掲載
長期在任、ワンマン体質に=八田進二青学大名誉教授―フジ・中居氏問題
―中居正広氏の問題でフジテレビのガバナンス(企業統治)は機能したか。
フジはトップ自らが情報を隠蔽(いんぺい)しており、内部統制の無効化によるガバナンス不全だ。親会社フジ・メディア・ホールディングスの取締役会は、子会社フジの内部統制が機能するよう監視する責任があった。
―フジ側は一定の体制が整っていたと主張している。
詭弁(きべん)にすぎない。今回の問題で子会社のフジを監視・監督できていないことが露呈した。両社の取締役は全員交代するのが望ましい。社外取締役は株主や視聴者の目線で意見を代弁する役割があるが、全く機能しなかった。社長と同じくらいの責任があり、全員が身を引くべきだ。
―日枝久取締役相談役は。
晩節を汚さないためにも身を引くべきだ。日枝氏は取締役を40年以上務め、フジサンケイグループの代表でもある。在任期間が長くなると組織がゆがみ、権力が一極集中する。周りが悪い情報は入れないように忖度(そんたく)することでワンマン体質になる。役員の最長在任年限を定めておくべきだった。
―フジHDは15人いる取締役を減らす方針だ。
フジも取締役が20人いるが、フジHDとともに現在の約3分の1程度で十分だ。役員の人数が多いと、緊急性を要する事案に遭遇した場合、迅速に対応できない。経営判断の機動性を高め、あらゆる情報を全員が適切に共有できるリスク管理体制を整えるべきだ。
―両社トップの適任者は。
現場の声を吸い上げ、社内からの人望が得られる人が良い。将来的には社内から起用すべきだが、最長で3年間ほど外部の人材を入れた方が刷新感があり、対外的な説得力が高まる。離れたスポンサーも戻りやすいだろう。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える青山学院大学の八田進二名誉教授=11日、東京都千代田区
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