- 2025/03/07 掲載
米ウォルグリーン、PEのシカモアが100億ドルで買収後に非公開化へ
シカモアがウォルグリーン1株当たりに支払う金額は11.45ドルで、6日終値に8%のプレミアムを乗せた水準。ウォルグリーンの株主は、同社が保有するプライマリーケアプロバイダーのビレッジMDの株式や社債が現金化されれば、さらに1株当たり3ドルを受け取る。
ウォルグリーンの時価総額は6日時点で93億ドルと、2015年以降で90%も減少。医薬品の利益率が低下したほか、消費者がアマゾン・ドット・コムやウォルマートなどでより安い処方薬、バス・トイレ用品などを購入する傾向が強まったことが業績不振につながった。
また同業他社が医療保険や薬剤給付管理などに事業を多角化する中で、ウォルグリーンは店頭での医薬品購入が下火になっているにもかかわらず別のドラッグストア買収に多額の投資をするなど戦略的にも失敗した。
ジェフリーズのヘルスケアサービス調査アナリスト、ブライアン・タンキラット氏は「縮小する事業と赤字累積、現金枯渇がそろって今日の状況を目の当たりにしている」と指摘した。
シカモアは、小売り・消費関連分野専門のPE投資会社で、これまでに経営難に陥ったステープルズやタルボット、ナイン・ウエストなどを黒字化させた実績がある。
みずほ銀行のアナリスト、アン・ハインズ氏は、ウォルグリーンが抱える業務上の課題は株主へのコミットメントなしの方が適切に対処できると述べ、非公開化は理にかなっているとの見方を示した。
ウォルグリーンのティム・ウェントワース最高経営責任者(CEO)は、立て直し戦略が進展していたが、相応の企業価値創出には時間がかかり、そこに重点を置いて変革していくには非公開企業がより好ましいと説明した。
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